「30の神社から読む日本史」を読みました。この本は神社巡りの手引き書ではありません。神社の由緒なども若干触れていますが、神社をきっかけに当時の日本史を語るという本です。付帯の知識として楽しめました。この本に取り上げられている神社のうち、すでに3分の2は訪れています。最近行く神社はよく調べてから参詣しますが、若い頃に行った神社は何も知らずでしたので「へー!」「なるほど…」がたくさんありました。
- 作者: 安藤優一郎
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2018/07/03
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
北海道神宮は、開拓使との関わりが深く、明治になって統治を安定させるための装置であったとのことです。2年ほど前に参詣しましたが、外国のお客様(中国人)が多いので驚きました。あまり深みが感じられない神社でした。
塩釜神社は、天下取りの夢が叶わなかった伊達政宗が大事に保護した神社です。半年ほど前に参詣しました。非常に由緒のある神社に見えました。山の上にあり、下に見える松島湾が絶景でした。
神田明神、日枝神社、浅間神社は、それぞれ江戸幕府との関係が深いようです。浅間神社は、冨士山信仰で江戸にたくさんつくられたそうです。品川神社にもありました。明治神宮は明治天皇の崩御をきっかけに渋沢栄一の運動で創建されたとのこと、知りませんでした。若い頃に参拝しましたが、全く信心のないながら参りでした。
鶴ヶ岡八幡宮は、鎌倉幕府の歴史を語っています。実朝暗殺の舞台です。何度も行きましたが、観光のついででした。
鹿島神宮は3ヶ月ほど前に参詣しました。「要石」をゆっくり見てきました。何の変哲もない小さな岩です。本書ではこの「要石」の話が中心です。「鹿島神宮の要石は地中で地震を起こすナマズの頭を押さえるためのものであり、そのお陰でこの地域は地震の被害が大きくない…安政の大地震の衝撃から人々が立ち直り、復興に進んでいくなか、江戸ではナマズ絵が大量に版行されて人気を呼ぶ現象が起きていた。ページ104」水戸光圀が要石を掘り起こそうと思って何日も掘ったが、結局掘り起こせなかったとのこと。
日光東照宮は、徳川家康、徳川家光です。若い頃何度も行きましたが見猿、言わ猿、聞か猿の彫刻を見て、派手だなあと思った記憶があります。
諏訪大社は、武田信玄、勝頼親子が厚く信仰した神社です。古事記にもでてくる有名な神社です。早回りでしたが、しめ縄の大きさ、美しさに驚きました。
熱田神宮は、信長が桶狭間の決戦にむかうときに戦勝祈願をした神社です。4年ほど前に言ってきましたが、観光神社という感じが強くて神様はいせんでした。
伊勢神宮は、本書では江戸時代のお伊勢参りの話が主です。伊勢講や御師の話です。私は2013年の遷宮の前と後に参拝しました。おかげ横丁も含め、さすが伊勢神宮は「神宮」といわれるだけの立派な神社です。神様がいます。
平安神宮は、明治の創建です。天皇が東京に移られたあと、さびれる京都の街を観光で支えようとの企てだったようです。私は修学旅行の時に行ったのではないかと思います。白い石がいっぱい敷かれている広大な神社だという印象です。
橿原神宮は、神武天皇を祀っています。明治になってからの創建です。5年ほど前に参拝しましたが、広大な敷地、広い参道、巨大な本殿に驚きました。
熊野三山は、熊野詣でです。白河上皇の参詣から盛んになり「蟻の熊野詣で」と称されるほどの流行でした。5年前に、本宮大社、速玉大社、那智大社を参詣しました。本宮は川の氾濫で比較的新しい建物だそうですが、古式ゆかしい立派な神社でした。那智の滝の最上部にしめ縄が張ってあったのをよく覚えています。熊野古道も歩きました。古木、大木に圧倒されました。
出雲大社については、江戸時代に造営費用をいかにして集めたかを解説しています。古事記の舞台である出雲については本書では触れていません。ここも5年ほど前に参詣しました。本殿に向かって下り坂と「四拍手」珍しい。稲佐の浜を見逃したのは実に残念です。
厳島神社といえば、平清盛です。戦国時代は毛利氏と陶氏の闘いの場でした。私は4年ほど前に参詣しましたが、たまたま水が引いてる時だったので海上の大鳥居の貝殻を見学してきました。しゃもじをお土産に買いました。
太宰府天満宮は、菅原道真です。新婚旅行の時に行きました。
宇佐神宮は、道鏡が天皇になるのを阻止した神社で有名です。あまりにも広大な敷地で、歩きづくめでした。
他に、以下の神社を取り上げています。いつかいってみたいものです。
出羽三山…松尾芭蕉の参詣、三囲稲荷…三越本店、乃木神社・東郷神社、秋葉神社…秋葉原の起源、賀茂神社…孝明天皇の行幸、御霊神社…応仁の乱の舞台、愛宕神社…明智光秀、湊川神社…楠木正成、松陰神社…長州藩、金比羅宮…歌舞伎、水天宮…江戸にもある