ひりつく夜の音

「ひりつく夜の音」読みました。あこがれのIさんが夜を徹して読んだとのこと。彼女の今の心境を知りたくて読んでみました。ジャズの専門用語満載で遠い昔の演奏会場に思いをはせました。平凡な日々に分岐点が潜んでいることが淡々と描かれています。変えてみたくもあるし、変えることもできないもどかしさに同調してしまいました。
「終えた今は、特に何も言わない。…何も言わずにそうしていられることがいい。初めてなのにそれ。」(ページ343)さりげない心象風景に、別れた人たちを思い出しました。みんな元気でやってるだろうか?「私はまだ生きてるよー」って叫びたくなりました。ひととき、もう戻ることのない時代に戻れました。よい小説を読みました。「大切なものは無理を通しても守りなさい」(ページ215)まだ夢を追ってる私の幼さにしばし呆然…

ひりつく夜の音 (新潮文庫)

ひりつく夜の音 (新潮文庫)