責任 ラバウルの将軍 今村均

「責任 ラバウルの将軍 今村均」を読みました。かつて日本はインドネシア付近の島、ラバウルに基地をもっていました。今村陸軍大将は、太平洋戦争終結1945年まで、その地の総責任者でした。終戦後、連合国は、戦時中の虐待や暴行・殺人について詮議を深め、戦犯として死刑、服役を命じました。死刑だけでも千名に及びます。その状況で今村大将は、神のごとく慈愛にあふれた行動をとりました。自らも死刑求刑を受けた今井大将のノンフィクションです。
この本を読んで本当によかったと思います。今の日本人が、罪なき人々の屍の上で生きていることを再認識しました。巣鴨に収監された後、自ら望んで、部下のいる南の島で刑期を終えようと嘆願をするとは! 「責任」とは何かを考えました。また、スカルノ大統領、朴正煕大統領、マッカーサー元帥が尊敬した日本人がいたことに誇りをもちました。著者、角田房子氏には、深く、深く、感謝します。備忘します。★★★

責任 ラバウルの将軍今村均 (ちくま文庫)

責任 ラバウルの将軍今村均 (ちくま文庫)

今村さんがマヌス島へいかれたことを、新聞の小さな記事で知りました…その記事にはマッカーサーの「私は今村将軍が旧部下戦犯と共に服役するためマヌス島行きを希望していると聞き、日本に来て以来初めて真の武士道に触れた思いだった。私はすぐ許可するように命じた」…かつての敵将の心まで打った今村さんの行為を知って、よくそこまで責任をとられた、それでこそ今村大将だと、涙がでるほど感激した…(p.467)