国も企業も個人も今はドルを買え!

著者の藤巻健史先生は「ハイパーインフレが来るのはもはや防ぎようがない」(p.94)と述べています。このハードランディングの兆候と対策、その後の日本について解説しています。最強のインフレ対策は「世界でメシを食える人」になっておくこと。驚くべき内容ではないのですが、還暦を過ぎた人間には辛い現実です。本格的に備えるしかないなあ。
ハイパーインフレの兆候は、「消費者物価指数が、日銀目標の2%に近づいた時」「原油価格のトレンドが上昇に転じた時」「不動産や株の価格が急激に上がった時」「日米金利差の拡大持続が明白になった時」「銀行の自国国債保有に関する新たなBIS規制が確定した時」だそうです。備忘します。

元日銀理事…早川英男さんのインタビュー記事…「日本の量的緩和は八割方失敗に終わる。長期金利の急騰より前に円が急落する可能性が高く、政府は、日本人資産の海外逃避を防ぐために資本規制に踏み切らざるを得ない…しかも文脈から言えば、2016年の後半にはその事態が訪れるというのです。…(p.71)
インフレ時のセオリーは、他国に自分のお金を逃がすことです。…また。幸運なことにハイパーインフレが起こらなかったとしても、近々、今よりももっと円安になる…(p.114)
ドル建て資産の持ち方にはいろいろありますが、「財産を守る」ことを考えると。私は「ドル建てMMF」をおすすめします。(p.120)
唯一、個人向けにハイパーインフレ時のリスクヘッジとしておすすめできる日本の金融商品を挙げるとしたら「債権ベアファンド」です・これは一言で言えば、日本国債先物の値動きとは逆の値動きをする投資信託のことです。(p.134)
ハイパーインフレが来ると)高齢世代が積み上げた巨額借金は、高齢者層の負担(責任)によって解消されます。…次代に押し付けてはならないのです。(p.243)