型で習得!中高生からの文章術

中高生ではなく、大学生、社会人に習得してもらいたい内容です。小論文、感想文、レポート、論文、さらに就職時の志望理由書の書き方を「型」で教えています。私、社内研修で文章指導を繰り返していますが、実に「型」が重要なことを痛感しています。良書です。備忘します。

型で習得! 中高生からの文章術 (ちくまプリマー新書)

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つまり小論文を書こうと思ったら与えられた課題に対してイエスかノーかの形にすれば良いのです。「グローバル化」という題で書くのならば「グローバル化は良いことか、グローバル化したことで、世界の人が幸せになっているか」などについて考えます。それが論じるということなんです。ページ24
…常に論理的に立つためには、型を利用するのがうまい方法です。論理的に書くには、それなりの手順を必要です。はじめに何を書くか、次にどうするか、ほぼ決まりであります。そのような型に基づいてかくと必然的に論理的になります。基本的な型というのは論理的に書くための手順のです。ページ24
小論文は「だ、である」調にする。多くの人がこれまで「です、ます」の文体で書いてきたと思います。が、小論文は「だ、である」で書くのが原則です。ページ34
×環境破壊を止めれないことは、一般の国民にも責任がある。
○環境破壊を止められないことには、一般の国にも責任がある。ページ39
…根拠については、「そのほうが楽しい」「そのほうが便利だ」「そのほうが得だ」ということではなく、それが「社会にとって良いことだ」ということを示してください。ページ48
面白く書く一番簡単な方法は、ほかの人と違ったことを書くことです。「そんな体験をしたのか」、「なるほど、そんな感じ方があるのか」と、読んでる人が思うように書きます。ページ64
面白く書くための2つ目のコツは、読んでいる人を意識して書くことです。自分だけ、あるいは数人の仲間だけに通じること書いても他の人は面白いと思いません。ページ65
作文は綺麗事を書く文章ではなく、個性的で面白いことを書く文章だということをしっかり頭に入れてください。ページ70
読書感想文も、これまで学んできたような構成を応用するとうまくかけます。・「第一部 きっかけに10パーセント」 どんなきっかけでその本を読んだかなどを書きます。・「第二部 あらすじ30パーセント」小説などの場合はあらすじを書きます。・「第三部 感想40パーセント」その本のどんなところが面白かったか、それを読んで何を考えたかを書きます。そこが読書感想文の中心です。・「第4部 まとめ10パーセント」これからどんなことを考えていきたい、自分の目標書くのもいいでしょう。ページ86
ずっと物語のストーリーを説明して最後に少しだけ、「とても面白かった」というような短い感想を付け加える感想文をよく見かけます。これは悪い感想文の典型です。これでは感想文ではなくあらすじ文になってしまいます。ページ88
本というのは物語であっても、それ以外でも、読む人の心を動かすことを目指しています。ですから読む前と読んだ後では考え方変わっているか、深まっていなければなりません。ですから感想文でもそれについて書きます。ページ90
レポートというのは、実際に起こっていることを報告するのではなく、そのような事実について自分の意見を報告する。その意味では小論文を長くしたものと考えてください。レポートだからといって、ネットで調べたことをそのまま報告しても、それは評価されません。ページ103
(レポートの型)第一部 これから書こうとしていることをはっきりさせる部分です。まずなぜこのようなテーマで書こうとしているかの説明をします。第二部 …しかし小論文と同じように反対意見を考えながら自分などを立てていきます。第三部 自説の正しさをいくつかの根拠出して論証します。書物の中の文章を引用し、それに賛成したり、批判を加えたり、その文章が自説の正しさを証明するものであることを説明したりします。またデータを示してそれがどのように説を裏付けるかを説明します。第四部 レポート全体でいたかったことをもう一度繰り返します。ページ110
レポートなど長い文章書くときに大事なのは、仮説を立てるという作業です。仮説というのはもしかしたらこういうことが言えるかもしれないという仮の考えのことです。ページ122
自信の持てる仮説ができたら、それに基づいて小論文を書いてみます。前にも説明したとおり、レポートの基本は小論文です。ですから、ともかく仮設の段階で小論文を書いてみるのです。それがのちに各レポートの設計図のようになるはずです。ページ124
3whatとは、「それは何か(定義)」「何が起こっているか(現象)」「何がその結果起きるか(結果)」という3つのwhatです。3wとは、「why理由背景」「whenいつからそうなのか」「それ以前はどうだったか」「whereどこでそうなのか、ほかの場所ではどうなのか」。1hは、「howどうやればいいか=対策」のことです。これらのことを考えながらノートを整理するとその問題の全体像が掴め、論点が見えてきます。何度も見ているうちに、アイデアが生まれることがある。ページ139
レポート論文の分量にもよりますが、特に本文が5ページを越したときには、本文とは別に表紙をつけるのが原則です。そこには題名、および副題をつけるときには副題に、執筆者の所属と名前を書きます。ページ146
引用したら、どこから引用したのかという、つまり引用先を必ず示します。そうすることによって、読む人が場合によっては原文を見て内容を確かめられるようにしているのです。それをしないと無断引用とみなされてしまいます。ページ158
論文には最後に参考文献をつけるのが原則です。参考文献がないと、まともな論文と見なされません。レポートの場合には、参考文献をつけなくても良い場合がありますが、参考文献をつける方が好ましいでしょう。ページ162