人生を面白くする本物の教養

「司馬作品は一般に物語性が強く、とても歴史とは言えないと思います。司馬史観という言葉があるように、司馬遼太郎の物語は初めに結論ありきのような気がしています。その結論に合致するモザイクだけを採用して、話が美しく組み立てられています。」ライフネット生命の出口社長の本です。本物の教養人だと思います。備忘します。

グローバルビジネスにおける人間関係は、ビジネスの中身で決まると思われているかもしれません。欧米は契約社会だから、なおのこと、互いにとって利益になる、いわゆるwin winの関係を築けるかどうかが全てで、それ以外の要素が入る余地はないとイメージしている人も多いでしょう。しかし実際に、グローバルビジネスの現場で重視されているのは、人間力です。ページ36
「面白そうな人だ」というときの「面白さ」の源が教養ということになるわけですが、具体的にはどういうことでしょうか。まずボキャブラリーが挙げられます。日本語に訳せば語彙ですが、ここでは単に知っている単語の数の問題ではなく、話題が豊富で様々なテーマで会話ができるという意味で、ボキャブラリーという言葉を使っています。引き出しの数と言い換えてもいいでしょう。ページ37
物事を考えるには、いくつかのコツがあります。その第一はタテとヨコで考えるということです。タテは時間軸、歴史軸、ヨコは空間軸、世界塾です。タテとヨコで考えるということは、時間軸と空間軸という2もないつの観点を交えていわば二次元で考えるということです。ページ63
第二に、国語ではなく算数で考えるという視点が重要です。これは要するに定性的な発想だけではなく定量的に物事を考えてみようということです。ページ65
読まないという選択肢がない本は、めんどくさがっても仕方がありませんから、さっさと読んでしまうのが得策です。ページ117
司馬作品は一般に物語性が強く、とても歴史とは言えないと思います。司馬史観という言葉があるように、司馬遼太郎の物語は初めに結論ありきのような気がしています。その結論に合致するモザイクだけを採用して、話が美しく組み立てられています。ページ135
…政治体制が違っていても、人の暮らしに必要なものは変わらない。温かい食事、そして心許せる友達。(老北京の胡同)ページ139
…北欧では子供たちに選挙について次のように教えるそうです。「もしあなたが有力候補支持するのであれば、3つの方法があります。すなわち有力候補の名前を書いて投票するか、白紙で投票するか、棄権するかのどれかです。逆に有力候補支持しないのであれば、あなたのひとつの方法しかありません。すなわち投票に行って別の候補者の名前を書くしか無いのです」と。ページ163
…今の日本の状況では、もはや「小負担、中給付」のモデルは成立しません。何らかの手が打たれなければなりません。選択肢は2つです。1つは中給付をしておいて負担を中負担にシフトする「中負担、中給付」の方法です。もう一つは、負担も給付も増やして、「大負担、大給付」にシフトする方法です。ページ173
公的年金の問題は、社会保障全てに共通します。負担を上げるか、負担をあげないのであれば、みんなで選挙に行って分配が上手なもっといい政府を作るか、もしくは生産性を上げて経済成長するか、以上の3つ以外に解決の方法はどこにもないのです。ページ176
できないという人は、ほとんどの場合、やる気が無いのです。英語に限らず大抵の物事は3年ぐらい必死に頑張って勉強すれば何とか身に付きます。後は楽しく継続できる工夫(仕組み、マイルール)を作れるかどうかだけの話ではないでしょうか。ページ224
コンタクトセンターを本当に大事にしたかったら、管理職自身がまず本気でそう思わなければ、コンタクトセンターのモラルが向上するはずがありません。結局心を込めていないことは、何をやっても意味が無いのです。ビジネスでは本気かどうかが全てです。ページ252