ユゴー・ミュッセ

ユゴー・ミュッセ」(週間朝日百科 世界の文学8)を読みました。ロマン主義の作家たちの続きです。ユゴーの「レ・ミゼラブル」は児童書でのジャンバルジャンの逸話以来、映画だけでなく、ミュージカルも何度も観ています。小説には「あらすじからは抜け落ちてしまう、いくつもの長い挿話と、作者介入による脱線的長談義」(ページ2-242)がふんだんに記述されているそうです。長談義にお付き合いする時間的余裕はありませんが、ミュージカルを視聴したくなりました。
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実践Arduino!

「実践Arduino!」を読みました。IoTの基礎を学んでいます。本書の通りに実験しています。まず、ブレッドボードにLED、抵抗などをセットします。次に、以下のプログラム(スケッチ)をコンパイルしてArduinoにプログラムを書き込みます。電気の流れを確認しながら、プログラムの一部を改変したりして学んでいます。
多分、複雑な動きも単純な動きの複合です。理解できるようになるといいなぁ…
経験的に理解することを目指します。例えば…
・ブレッドボードの同期穴を理解する
・LEDのプラス、マイナスを理解する(カソード)
・抵抗の働きとオームの差による変化を確認する
・グランドの結線
スケッチを備忘します。

実践Arduino!  電子工作でアイデアを形にしよう

実践Arduino! 電子工作でアイデアを形にしよう

  • 作者:平原 真
  • 発売日: 2017/08/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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// the setup function runs once when you press reset or power the board
void setup() {
// initialize digital pin LED_BUILTIN as an output.
pinMode(LED_BUILTIN, OUTPUT);
}

// the loop function runs over and over again forever
void loop() {
digitalWrite(LED_BUILTIN, HIGH); // turn the LED on (HIGH is the voltage level)
delay(100); // wait for a second
digitalWrite(LED_BUILTIN, LOW); // turn the LED off by making the voltage LOW
delay(100); // wait for a second
}

ワーズワス・バイロン

「ワーズワス・バイロン」(週間朝日百科 世界の文学7)を読みました。ロマン主義の作家たちの解説です。詩人シェリーはともかく、妻のメアリー・シェリーが「フランケンシュタイン」の原作者で、内容は映画とは全く違うことを知りました。怪物を生み出した科学者がフランケンシュタインだそうです。また「ドン・ジュアン」の作者がバイロンで、ドンファン(放蕩者)のイメージを生み出したことも初めて知りました。知らないことが多すぎます…
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ヴォルテール・ルソー

ヴォルテール・ルソー」(週間朝日百科 世界の文学6)を読みました。ルソーの「エミール」は教育論として有名で、いろいろな本に言及があります。「社会契約論」など、現代の社会に貢献しているのは間違いないでしょう。ヴォルテールが知の巨人であることを初めて知りました。「カンディード」が代表作です。当時は文学、哲学、歴史が融合しており、天才はあらゆる分野の包括者だったようです。カサノヴァが実在の作家で伝説通りの「遊ぶ」人だったことを知りました。「生きることと遊ぶこととは、二つの同じものだ」(ページ2-188)
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サド・ディドロ・ラクロ

「サド・ディドロラクロ」(週間朝日百科 世界の文学5)を読みました。サドの名前は知っています。サディズムの語源でおぞましい小説(「悪徳の栄え」など)読む気はしません。悪徳を描くことで、善美が強調されることに気がつきもしませんでした。カトリーヌ・ドヌーヴ「昼顔」を観るぐらいは、よいかもしれません。「ファニーヒル」が発禁の娼婦小説だとは知りませんでした。「マノン・レスコー」の究極の愛の話は知っていましたが、とんでもない女だとは知りませんでした。ただ、これらの小説を読む勇気は湧きません…
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人工知能の哲学

人工知能の哲学」を読みました。途中で何度も内容を要約してくれるのでとても分かりやすいと感じました。素人に解るように書くのは相当の力量です。著者はとても親切です。人工知能を考えるということはヒトを考えることだと納得しました。人工知能がヒトの仕事を奪うこともないし、自動運転は実現しないと示唆しています。現在人工知能といわれているものは「道具」に過ぎません。人間の本質は「目的を決めること」で、身体を持たない人工知能ではヒトの代わりはできません。ヒトは錯覚するからこそ認識できるし、場当たりだからコミュニケーション(振動論)できることを理解しました。良書です。備忘します。

人工知能の哲学

人工知能の哲学

機械と人間の違いは、自分で目的を決めることができるかどうかに尽きる。現在、機械を利用することによって、多くの作業ができるようになった。しかしながら、何をすべきか、どこへ行くべきかといった目的は、人間にしか決めることができない。ページ32
私たちの脳は騙されている。しかし、騙される(錯覚する)という事は、主観的に世界を作り出すからこそ、私たちは、世界がどんな状況であっても、安定した認識を行うことができると考えられる。ページ68
言語コミュニケーションの中枢が身体の運動をつかさどる運動野にあると言う事は、コミニケーションと体は表裏一体であると言う裏付けとも解釈でき、非常に興味深い。ページ85
…生物それぞれから見た世界である「環世界」は、「主体」を持つ私たち生物の身体感覚を始めとする感覚器官を通して、私たち生物の脳内で作り出す世界であり、私たちが世界を認識するという事は、脳内で「イリュージョン」を起こしていると解釈できるのである。そして、「イリュージョン」なしに、世界の認識というものは、起こり得ないのである。ページ114
…自己自身の歴史という「場」を、自己自身で持つことが自己を自己たらしめるものであり、「主体」という考え方に通じるものではないかと考えられる。ページ124
こうした個々のリズムを通して全体が1つの生命を奏でる現象は、私たち生物が、進化の過程を経て発達させてきた社会性と大きな関係がある。私たち生物がコミニケーションを行う事は、自らの身体感覚を通して、他者の行為の意味に対して共鳴し、それによって他者世界を作り出していくことである。リズムを共有するという事は、こうしたコミニケーションを成り立たせる根本原理なのではないかと思う考えられる。ページ140
生命の至るところで観察される振動現象は、人間や細胞を含む生命における社会性や秩序といったものを成り立たせる根本原理であると考えられる。ページ163
人間のような知能、すなわち「強い人工知能」は、未だ実現されていない。しかしながら、「弱い人工知能」というものはすでに多くのものが実現されているということになる。ページ178
重要なのは、現在私たちが用いている人工知能と言うものは、あくまで、人間の知能の代わりの一部を行う機械である「弱い人工知能」であり、人間にとっての道具に過ぎないということである。この考え方を軸として持っておくと、世の中の様々な論理を、冷静に見つめ直すことができる。ページ190
私たちが世界を認識できるのは、私たちが身体を持つからである。機械にとっての意味は、こうした身体を中心に置いた考察が不可欠であろう。そして、身体を中心に置いた知能の考察が、本書で行ってきた議論である。私たちにとっての意味とは行為の意味であり行為を行うには身体が不可欠である。身体にとっての意味は、身体と環境との関係によって、即興的にその場その場で作り出される。ページ208

梅原猛訳「古事記」

梅原猛訳「古事記」を読みました。練れた日本語訳です。「古事記」は歌謡であると論じています。特に本書は歌の訳が秀逸です。これまで読み飛ばしていた歌を丹念に詠むことができました。
「神風の 伊勢の海の 大石に 這いもとほろふ 細螺の い這ひもとほり 撃ちてし止まむ」
(訳:神風の吹く伊勢の海の大きな石を這い回ってるヤドカリのように、敵の周囲を這い回って、さんざん撃って殺してやろう)(ページ99)
古事記」原文(岩波文庫ワイド版)を参照してみると省略している部分がかなりありますので、その点を考慮して読む必要があります。
解説「古事記に学ぶ」で、「古事記」原作者を柿本人麻だと推定しているのには驚きました。またアイヌ語との類似性に言及しています。
参考文献は、「口語訳古事記」(三浦祐之)、「古事記講義」(三浦祐之)、「古事記の物語」、「古代史研究の最前線 古事記」、「古事記の不思議な1300年史」、「ぼおるぺん古事記」、漫画「古事記」(青林堂)「マンガ古事記」(河出出版)などです。

古事記 増補新版 (学研M文庫)

古事記 増補新版 (学研M文庫)