センチメンタルジャーニー

この週末、伊豆の稲取温泉でお世話になった方々と新年会をしました。早咲きの河津桜はまだ二分咲き程度でしたが、透き通るような冬の海がとても印象的でした。稲取は両親の生まれたところです。子供の頃、夏休みは祖母や親戚の家に長い間あずかって貰っていました。海水浴や朝晩のあじ釣り、いとこ達とのトランプ。

ほかの皆さんが到着する前に一人で稲取の町をまわりました。祖父母の墓、海の見える崖、子供の頃に泳いだ海水プール、いまは誰も住んでいない叔父の家、古い喫茶店、堤防の先端、海岸沿いの旧道。

翌朝、浅間山(せんげんやま)に皆さんをご案内しました。海抜約500メートル、伊東の大室山が左手に、真下は全面の海で伊豆七島が点々と見えました。「伊豆バイオパーク」の真上の山で観光客はほどんど行かない場所です。高校・大学時代私の一番好きな場所でした。愛誦していた詩が蘇りました。


 太陽は美しく輝き

 あるひは 太陽の美しく輝くことを希い

 手をかたくくみあわせ

 しづかに私たちは歩いて行った………

                  伊藤静夫「わがひとに与ふる哀歌」

こんなに遠くまで来てしまったと不覚にも叙情してしまいました。

2004年2月10日