ひとたまりもない日本

「ひとたまりもない日本」を読みました。池田信夫氏の主張に近い内容です。驚きませんでした。最悪のハイパーインフレは不可避であると述べています。猛烈な痛みを伴います、でも、このガラガラポンをうまく利用できれば日本経済は復活するとの意見です。「円高=悪玉」の理屈がよくわかりました。枝葉末節を切り捨てて考えれば、20年の停滞の原因は円高であるとのこと、納得がいきました。良書です。会社も個人も備えなければいけません。私の作戦としては、「現在所有の日本株を売却して米国株を購入、ハイパーインフレが始まったら、米国株を売却して日本株を購入する」ことにします。備忘します。

ひとたまりもない日本  根拠なき「楽観論」への全反論

ひとたまりもない日本 根拠なき「楽観論」への全反論

ハイパーインフレとは大増税と同じです。インフレとは債権者から債務者への富の実質的な移行ですが、日本で最大の債務者は国、債権者は国民なのです。国民から国へと富が移るという点で、インフレは大増税と同じなのです。(p.44)
…私は、財政破綻もしくは、ハイパーインフレのせいで大幅円安が起こると思っている。そうなれば企業利益は数倍に膨れあがるだろうから、そこから日本株を積極的に購入すればいい。乗り遅れることはない。(p.95)
安政策さえ打っていれば経済のソフトランディングは可能という信念のもと、…マイナス金利をはじめ数々の提案をしてきたつもりです。…その間に、日本の財政の累積赤字は3倍近くまで膨れあがってしまいました。ですから残念ながら時間オーバーだといっているのです。ここまで来るとハードランディングしかないと思います。…過激とはいえ最終的には市場原理が働いて日本は再生する。と確信しています。(p.159)
…一番怖いのは景気回復か、国家の信用が失われるかして、長期金利が上昇するときです。いったん上がり始めたら元本1千兆円に対する金利は税収をあっという間に超えます。日本はいまや、景気回復を「恐れなければならない」国になってしまったのです。(p.163)
経営者がすべき第一は「財政が危険だ」との現状をきちんと認識することだと思います。…次にストレステストを実施する必要があります。…一般論としては、…体力の許す限り海外分散投資をすることだと思います。次にデリバティブの活用を考えなくてはなりません。(p.207)