目先の利益を捨てなさい

「目先の利益を捨てなさい」を読みました。 51歳で独立した人の社長の話です。オートウエーブというカー用品業界の会社成功譚です。やや独りよがりのある成功物語ですが、その中で感心したことがあります。その考え方、哲学です。社長は、会社全体を見回すことが多く、ついお客さまに対しても全体としてくくってしまうことがあります。著者はそれがいけないと何度も繰り返して説いています。お客さまひとりひとりを見なければいけないという思想です。その哲学を「一の哲学」名づけて説明しています。備忘します。

一日に一万人の来客があっても、実際には1人1人のAさん、Bさん、Cさんがおられるだけです。また20歳代のお客様、 30歳代のお客様、 40歳代のお客様、女性のお客さんというのもいらっしゃいません。さらに10歳代の購買傾向、30歳での購買傾向が40歳代の購買傾向、女性ドライバーの購買傾向というものが存在してわけでありません。それはこちらの勝手な括りであって、こちらの都合でそのようにくくっただけで…実際の1人1人家のお客様がそれに合わせて購買行動起こされているわけではありません。「一の哲学」とはこのように一が原則をし実践することです。…まとめたり括ったりせず、 1つずつ扱うことです。全体という捉え方をするのではなく1つずつ捉えること。すなわち全体や総体あるのではなく、物事は1つずつ存在しているとみなすことです「一の哲学」とはあれもこれもではなく、まずは1を極めること。一応極めることなくして…全体も、総体もないことを知ること。(173ページ)
…ピーク時に合わせた駐車場の確保、社員総出の色、雨の日の傘のサービス、また「親切が先、商売を後」というスローガンで表現された数々の犠牲的サービスの実施である。このように、お客様の顕在ニーズよりもむしろ潜在ニーズに合わせた販売活動を行うことで今日の企業としての繁栄を築いていった。(218ページ)