エクスポネンシャル思考

「エクスポネンシャル思考」を読みました。十年もすれば、運転手、アナウンサー、プログラマーばかりでなく、会計士も、医者も弁護士もAIに仕事を奪われます。この指数関数的(エクスポネンシャル)なテクノロジーの進化に人間はどう対処したら良いのか? 著者は、最新のテクノロジーの専門家である必要はなくて、新技術全体を俯瞰することで克服できると主張しています。俯瞰する技術を羅列すると、「ビッグデータ分析、デジタル取引、人工臓器、携帯式分析器、自動運転、遺伝子治療、遺伝子編集動植物、モジュール化、再生可能エネルギー、3Dプリンター、4Dプリンター、無人航空機、サービスロボット、知覚インターフェース、センサー群、スマート繊維・素材、バーチャル・リアリティ、拡張現実、テレプレゼンス、ナノ素材、ナノ粒子、量子コンピュータ、感情コンピューティング、ニューラルネットワーク、群制御・群知能、機械学習、脳とコンピュータ統合、シェアリング・エコノミー」です。読みながら衝撃を受けました。「終わった人」には、もう出番がない…でも、しばらくして素晴らしい着想を得ました。類似のモデルもあるかもしれませんが、仮説です。実現可能で、私が楽しみながら実行できるビジネスを思いつきました!人生経験の少ない若者では、ほぼ不可能なビジネスです。会社をはじめて最高のワクワク感を抱きました。内容は、後のお楽しみにという事で、備忘します。

エクスポネンシャル思考

エクスポネンシャル思考

つまりシンギュラリティーが来るというのは「わけのわからない状態になる」ということと同義です。ですから、「シンギュラリティーは本当に来るのか?」や「シングラリティが来たら世の中どう変わるか?」あるいは「シンギュラリティー以後をどう生き抜くか?」といった巷にある議論は、本質的に無意味であるといえるのではないでしょうか。ページ30
エクスポネンシャルとは直訳すると、倍々に進んでいく指数関数的という意味です。指数関数の成長グラフを時系列で見てみると、そのカーブは直線的(リニア)の成長に比べて、急上昇を描くことが分かります。…以来、多くのテクノロジーに関する指数が、エクスポネンシャルな成長遂げていることが指摘されるようになりました。ページ33
ブロックチェーン技術を利用したビットコインは、単なる通貨の代替えである電子マネーの延長ではありません。人類史上初めて電子データに価値を保存し取引される仕組みができたのです。しかも、その仕組みは、国家などが管理できない非中央集権的な仕組みを持っているがゆえに、コミュニティによって進化し、分裂し、仮想通貨間で競争し、使われなければ淘汰されるという進化の営みを始めています。ページ71
ビットコインを代表とした仮想通貨は、システムの地球規模でのネットワークが一定の臨界に達したがゆえに、かつては思いもよらなかったデータをに価値を載せることができるようになったことを示します。つまり、今後本質的に仮想通貨を以て取引されるものは、「時間」と生命活動に必要な「エネルギー」と「遺伝情報」なのです。ページ73
考えてみればANAが10年後も航空会社である必要はありません。飛行機で移動するのと全く同じ価値がアバターで提供できるならば、それを提供するテクノロジー会社になってもおかしくないでしょう。ページ103
エクスポネンシャルテクノロジーを俯瞰するとは、まさに、この多種多様なテクノロジーが混ざり合った瞬間に何が社会に起きるのかを見極める能力なのです。一つ一つは馬鹿げたアイデアだと感じたとしても、テクノロジー全体を俯瞰すると見方が変わります。エクスポネンシャルな進化の中では意外と実現できる可能性があるのです。ページ113
簡単に言うと、イノベーターマインドとは、「失敗を恐れずに突き進む力」を意味し、ムーンショット構想力とは、「周りを味方にして巻き込む力」を意味します。そのようなマインドを持った上で、実践が伴うのはエクスポネンシャル思考の完成系です。ページ119
デザイン思考にも多くのやり方があるとは思いますが、デザイン思考のワークショップは一般的に自らがターゲットする顧客の考え、あるいは持っている資源を洗い出すことから始めるとよいとされています。しかしエクスポネンシャル思考は快適な環境変動要因として、テクノロジーのもたらすインパクトを理解することを主眼としていますので、視点の位置が内部と外部だけでも大きな違いがあることもわかるでしょう。ページ146
…強調したいのは、何をするにしても、教養としてのエクスポネンシャルテクノロジを俯瞰する力がないと、その効果が半減されてしまうということです。ですから、まずは持続してテクノロジーを俯瞰し続けられる力を養い、その次に必要な戦略やつを選んでひとつひとつ実践していくのが理想でしょう。ページ147
…例えばポケモンGOという町中を歩いてポケモンを探すゲームが2016年から流行していますが、どこにポケモンが出現するかはアルゴリズムに基づいており、そのポケモンを捕まえる作業はユーザーが勝手にやるだけでシステムが自律反応しています。そのような自律反応の仕組みや、ユーザーの量が増えても裏側の人員を増やす必要がないのでリソースの制約を受けずに成長することができます。結果として膨大な利益を乱すことはポケモンGOやパズドラといったゲームの例を見るまでもないでしょう。ページ178
つまり、20世紀は「足りない」という前提に基づいて「充足させる」ことがビジネスとなり、大きな利益の源泉になってきました。大量生産、大量消費を前提としてのモデルが成り立っていたのです。しかし、今はエクスポネンシャルなテクノロジーがもたらす「ありふれるほど豊富」という状態を前提としたビジネスモデルを志向しなければいけない時代だと言えるでしょう。ページ187
エクスポネンシャルに加速するこの時代は変化し続けること様々なものを横断的に見て積み重ね、統合させて事業化していく力、いわばアグリゲーション力がキャリアの進展には1つの鍵になるのではないでしょうか。アグリゲーションは突き詰めると、自分を中心としたプラットフォームを作り出すとも言えるでしょう。ページ198
新たな時代においては、一言でいうと、「個が野に放たれる」のではないかと考えています。つまり、限りなく小さい単位である個や個にちかいレベルの小さなプロジェクト単位でことを起こし、テクノロジーを駆使、周りを巻き込んで、世の中に大きなインパクト与えることができるのです。ページ202
働くということは必ずしもお金を稼ぐことではなく、このような価値を経てセーフティーネットを維持していく過程になっていくのです。この方が金銭による貯蓄にあくせくするよりも人間社会として健全ですし持続可能性があります。ページ209
セーフティーネットとしての貯蓄の価値が今後どうなるか分からない、それよりもコミュニティーの中で共有共感してお金を動かす、それがダイレクトに人生を楽しむことにつながる。その中では、明らかに、お金を貯めるより、むしろお金を動かしてフローを作り出し、自らのプラットフォームを作り出して、その中心にいるという生き方が中心になりますし、一番のセーフティーネットとなります。ページ214