「VRは脳をどう変えるか?」を読みました。プレイステーションで実際に使ってみると酔います。これは使い物にならないと思いました。本書を読んで、普通の欠点であることがわかりました。対処方法もあります。現実と仮想の境目がわからなくなる欠点も指摘されています。教育や共感のための有用なツールであることも間違いなく、使い方次第で評価はわかれると述べています。映像からVRへの転換が起こるまでもうしばらくです。備忘します。
- 作者:ベイレンソン,ジェレミー
- 発売日: 2018/08/08
- メディア: 単行本
臨場感を作り出すためには、VRでは3つの要素が技術的に完璧に実行されなければならない。それは①トラッキング、②レンダリング、③ディスプレイである。ページ37
これまで100年以上にわたりするのに最もふさわしいメディアは映像であった。だが、ここにVRが登場した。臨場感の力を上手に生かす分、あなたの部屋であなたの隣にバーチャル教師がいるような感覚を見出せる。ページ44
教育に関して、今まさにワクワクするような大変革の時期である。すでにインターネットとビデオの技術が新しい教育のチャンネルを切り開いているが、VRがその動きをさらに前進めようとしている。ページ64
メディア経験ではなく実際の経験だと理解した方が良い場合が多い。実際の経験と同じく我々の態度や行動を変えるのだと。ページ70
実験中、被験者は数回にわたり、自分がVE(仮想環境)にいるのか現実世界にいるのかを混乱をきたし、一部のものや出来事についてもそれが仮想世界に属するのか現実世界に属するのかを取り違えた。ページ102
被験者は想像力だけに頼るよりも、VRを使ったほうが簡単に高齢者の視点に立てるという可能性が考えられる。色盲実験と同様、異なる社会集団の関係がレアなケースでは、とりわけVRが役に立つのかもしれない。ページ132
言語と非言語行動を通したコミニケーションは複雑だったのである。…すなわち、話し手の体は発する言葉に合わせて踊る。さらに聞き手の体も話し手のリズムに合わせて踊るのだ。ページ239
ローズデールは「手」に取り付かれている。仮想世界の皆を引き寄せる原動力となるべき自然な対話のカギを握るのが「手」だと見ているからだ。「人間の経験の中核にあるのは、手で対象ををいじくることです」と彼はよく言う。ページ248
まず、前にも述べたように、仮想世界に没入すると現実世界では不在になると言うマイナス面がある。人の意識は同時に二箇所には存在できない。漫然とVRを使っていると、犬のしっぽ踏んづけたり、壁に向かって歩いたり、地下鉄内で財布をすられたりしかねない。また第二のマイナス面としてハードウェアの使い心地の悪さがある。ページ330
VRは、できないであろうことにはうってつけだが、現実世界にしないであろうことには使うべきではない。スーパーマンのように月まで飛んでいくのは問題ない。だが仮想世界で大量殺人を行うのは-それがリアルに作られていればなおさら-問題がある。ページ332
既にGoogle、Microsoft、アップルを始めとした多くの巨大企業が、VR事業に莫大な投資をしている。世界中で急速にVR業界が拡大し第3のプラットフォームになると、多くの人々が確信しているからである。ページ361