ウソはバレる

「ウソはバレる」を読みました。衝撃的な内容です。でも自分の消費行動の中(価格コムやアマゾンレビューの閲覧)で薄々気づいていました。本書はマーケティングのいままでの常識は大きな変化のなかにあるとの指摘から始まります。すなわち「企業のブランドは今まで以上に重要である」「ロイヤルティーを築くことがマケターの日々の大事な仕事「」顧客はみんな不合理だ」「過剰な選択肢は人々を麻痺させることがある」「ポジショニングこそマーケティングの最重要課題」 違う!というのです。今まで私が信じていたことです。食品やフィットネスクラブは、まだゆっくりと進んでいますが、家電や電子機器では暴風雨に見舞われています。読み終えて納得が行きました。広告屋さんには必読の書だと思います。備忘します。

ウソはバレる―――「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング

ウソはバレる―――「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング

本書では、こうした常識が今では通用しなくなりつつある理由、そしておそらく今後もどんどん通用しなくなっていく理由を書き出していこうと思う。その常識とはこういうものだ。「企業のブランドは今まで以上に重要である」「ロイヤルティーを築くことがマケターの日々の大事な仕事「」顧客はみんな不合理だ」「過剰な選択肢は人々を麻痺させることがある」「ポジショニングこそマーケティングの最重要課題」…(まえがき)
製品の質を素早く評価できるようになると、ロイヤリティは消費者にとってあまり意味がなくなる。つまり、ブランド・エクイティはかつてほど順調ではないのだ。ページ24
消費者の意思決定に見られる3つの新しいトレンドについて考察した。1つ目に、常時情報収集について話した。消費者がソファーに寝転びながらたえず情報収集する現象ことだ。…2つ目に、消費者の決断がスピードアップした、と説明した。情報を自分から探すと、見つかった情報の結果として活用する率が高まる。…3つ目に、意思決定が心ではなく頭でくだされることが増えている、と話しました。ページ66
ベンジャミンフランクリンは、「3人で秘密を守れるのは2人が死んだ時だけ」と述べたことで有名だ。ページ74
まずは、簡単な考え方を述べよう。ある人の購入判断は、関連しあう次の3つの情報源の組み合わせによって決まる。・P_その人が前々(prior)から持つ思考、新年経験 ・O_他者、つまり(Other)の人々や情報サービス ・M _マーケター(Marketers) ページ181
どの情報源にどれくらい存するかは、費用と便益によって決まる。もう10年間でOからの情報の便益が急増し、その一方で費用低下してきた。その結果、Oの相対的なウェイトは劇的に増加している。ページ184
Oの重要性が増して来ているは、今尚進行中のプロセスであり、テクノロジーに大きく左右される。新しいツールの登場によって、今はMやPが支配しているカテゴリーが一転してOに支配されることもありうるのである。ページ204
指摘しておきたいのは、将来のマーケターの役割だ。ただ1つ、マーケターの役割の中でこの先も変わらないのは、行動を促すという役割だ。ページ223
これからの市場調査は、消費者の長期的な嗜好を予測するのではなく、消費者の意思決定をリアルタイムで追跡し、すばやく対処する、という方向へと舵が切られるだろう。ページ252
多くの選択エンジンが試作の段階にとどまり、市場を破壊するに至っていないのは、そのためのテクノロジーがないからではない。データへ容易にアクセスできないからなのだ。ページ277
自画自賛の広告で商品をアピールしたりしようとしても、価格比較サイトやレビューサイト調べられたら、真実が一発でわかってしまう。マーケターがあの手この手の策を講じて消費者を購入へと誘導しようとしても、情報を握っている現代の消費者には全てお見通し。つまり、「ウソはバレる」ということだ。ページ303

100分de名著「古事記」

100分de名著「古事記」をNHKオンデマンドで視聴しました。2013年の放送です。司会、伊集院光さん、講師、古事記の大家、三浦佑之先生です。100分では一部分しか紹介できないことがよくわかりました。「天の岩戸」「海幸、山幸」「このはなさくやひめ」など有名なエピソードが短くまとめられています。しかし省いた部分に情感があるのにと少し残念でした。原文はもっと面白いです。古事記は「なぜ私が今ここに生きているのか」という疑問に答えてくれます。
4話で構成されています。第1回「世界と人間の誕生」古代人の生命観に触れています。イザナギイザナミの国産みの話です。日本の神は「つくる」「うむ」ではなく自然に「なる」神だと解説しています。第2回「文化と農耕の起源」スサノオの話です。五穀の種、治水(やまたのおろち退治)など縄文から弥生の移り変わりが表現されているそうです。第3回「出雲神話という謎」国譲りは日本統一の混乱と平定をあらわしていると解説しています。第4回「古事記の正体とは」ヤマトタケルの話を題材に日本書紀との差を説明しています。敗者の視点があると解説です。

NHK「100分de名著」ブックス 古事記

NHK「100分de名著」ブックス 古事記

漫画 君たちはどう生きるか

「漫画 君たちはどう生きるか」を読みました。漫画版が200万部を越えるベストセラーになっているとの評判を聞き読んでみたくなりました。子供向けの哲学書ともいえます。自分で考えること、生産関係、貧しさ、人間の価値などを通じて正しい生き方を指し示しています。戦前に書かれた本ではありますが、時代を超えて生き続ける内容です。主人公コペル君が友人を守るとの約束を果たせず悩みに悩むくだりがあります。はしなくも、自分の経験を思い出して悔恨の念にとらわれました。50年以上前の小学校時代、放課後に3階からはげ頭の理科の先生が通りかかるのを見て「ハゲ!」「太陽!」などと皆で叫びました。親愛の情を示す気もありました。私も叫びました。先生、ひどく怒って「ハゲといった奴、誰だ!」3名が名乗りを上げました。彼らは顔が腫れるほど何度も殴られました。私、名乗りを上げる勇気がありませんでした。殴られる彼らを見ながら、恐ろしさと後悔で震えていました。猪之良君、金子君、申し訳なかったです。彼らにそのことを話したこともありません。この本をきっかけに、決着をつける時期が来たように思いました。卑怯を詫びなければいけない。正直な彼らの勇気をたたえなければならない。備忘します。

漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか

(大事なことは)…いつでも自分が本当に感じたことや、真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えていくことだと思う。

「pen」2018年4/15号

「pen」2018年4/15号をビューンで閲覧しました。特集は「忘れられない写真」です。…写真が大量消費されるSNS時代のいま、それでも、見た人の心に深く刻まれるビジュアルイメージがある。」との問題提起から特集は始まります。そして秀逸なフレーズ「撮ることは、記録なのか?撮 られたものは、記憶なのか?…」100枚近くの写真を見て、素人とは違う実力を感じました。切り取ったシーンが心に衝撃を与えます。原風景、告発、主張、写真家は伝えたいものがあるから写真を撮るのだと得心しました。備忘します。

Pen(ペン) 2018年 4/15 号[忘れられない写真。]

Pen(ペン) 2018年 4/15 号[忘れられない写真。]

一般的な写真は銀塩(ハロゲン化銀)を感光材にしているが、その代わりに貴金属のプラチナ乳剤を印画紙に得する手法「プラチナプリント」と呼ぶ。プラチナは化学的に極めて安定しているので紙が劣化しない限りは500年以上経ても退色することなく美しい状態を維持する。この耐久性に加えて、銀塩では黒のベタに沈んでしまう微妙なグレーも再現。白から黒に至る階調を無限に表現できることから近年になって脚光浴びている。ページ76
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「財界」2018年3/27号 4/10号

「財界」2018年3/27号、4/10号を読みました。「財界」の方からいただきました。3/27号の巻頭「人・ヒト・ひと」はサツドラホールディングスの富山浩樹社長のインタビュー記事です(ページ7)。御父上の富山会長と奥さまにはお世話になりました。社長にお目にかかっておけば良かったと反省。「EZOCA経済圏で言えば、あと数年でツルハの規模を追い抜けます」とのこと。逞しいなあ。蔵本聡氏がエッセイ「富良野風話」で「働き方改革」について苦言。農業を視野に入れていない机上の空論に過ぎないと断じています(ページ17)。4/10号に三菱UFJ銀行の仮想通貨に記事がありました。「投機性を持たせない」戦略が吉と出るか凶と出るか、興味深い。実は私、先週、三菱UFJ銀行の株を購入しました。三菱の仮想通貨MUFGを期待してのことです(ページ54)。「邪魔者のハエが肥料や飼料をつくる!」興味深い記事です(ページ58)。エニタイムフィットネスが既に国内300店舗とは驚きました(ページ104)。土屋社長に会ったことはないような気がしますが、役員の方は何人か存じ上げています。立川の(株)masulinks(マスリンクス)萬壽社長、頑張れ!

財界 2018年 3/27 号 [雑誌]

財界 2018年 3/27 号 [雑誌]

財界 2018年 4/10 号 [雑誌]

財界 2018年 4/10 号 [雑誌]

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「家庭画報」2018年5月号

家庭画報」2018年5月号をビューンで閲覧しました。メイン記事は「理想の豪邸拝見」です。「豪邸」を東京都内に建てるには、親の遺産がたんまりあるか、仕事がすごくできるか、悪いことをするしか方法はありません。お金持ちの奥さまが憧れて、旦那の尻をたたくのかなあ。「豪邸」って上品ぶっているけど下品な感じがします。成金の匂いがします。嫉妬ですかね。あとは伊勢神宮の写真と解説が載っていました。豊受大神宮、御正宮に風がたって御幌を翻した写真です。素晴らしい写真です。普段手に取ることのない雑誌もたまにはよいです。
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家庭画報 2018年5月号

家庭画報 2018年5月号

奥の細道

奥の細道」をオーディオブックで聴きました。以前は布団の中で聴きながら眠るのが大きな楽しみでした。今回は日中に聞き流してみました。美しい文章です。低音の語りが実に気持ちよく響きます。「行春や鳥啼魚の目は泪」叙情的な旅立ちです。瑞巌寺石巻の賑わい、平泉。「夏草や兵どもが夢の跡」観光旅行です。山形、立石寺「閑さや岩にしみ入る蝉の声」傑作です。「五月雨をあつめて早し最上川」越後路にて遊女を振り払い金沢へ。敦賀を経て大垣で大団円。無謀な羽黒山登山もありましたが、それぞれの旅先で俳句のお弟子さんたちが宿泊や宴を催していたようで楽しい旅行記になっています。大山祇や神功皇后西行などの言葉が出ても、昔は知識が乏しく感興が湧きませんでした。今は少し楽しめるようになりました。奥の細道をたどって旅行したくなりました。