プロフィット・ピラミッド

「プロフィット・ピラミッド」を読みました。2007年の本です。題名につられて購入しました。要するに当時儲かっていた会社の事例紹介とそれらの企業が成功した理由を抽出した本です。例に上がっている高収益会社は「キーエンス」「ローム」「ファナック」「ヒロセ電機」「マブチモーター」です。事例はそれぞれに勉強になりましたが、真似することができないので役に立ちません。企業風土の逆風にあい、あえなく撃沈の例がほとんどだと思います。…要するに画期的な商品を開発して、競争のない市場で戦えば勝てる、ということです。備忘します。

プロフィット・ピラミッド―「超」高収益経営を実現する十四のシンプルな原則

プロフィット・ピラミッド―「超」高収益経営を実現する十四のシンプルな原則

ファブレス企業は自社に製造ノウハウを持たないために、継続的コスト低減、品質の維持や納期短縮を製造委託先に依存しなければならないという弱点を抱えています。この点、キーエンスは、製造委託先を効果的に活用するために、100%の生産子会社のクレポを運営し、全体の生産の一割を生産することにより、生産のノウハウを蓄積するということをしています。(p.19)
ロームは)…超高収益を実現するためには、経営目標としての高い利益率の設定と、そこへの執念が大変重要と考えています。(p.42)
ファナックは)…市場調査を行い、その市場性を確認します。その後、どの競合メーカーも真似のできない意欲的な価格を設定します。そしてその価格から利益率35%を引くことにより製造原価が算定されますが、その製造原価が必達目標となります。(p.53)
モノやサービスの販売において高い利益率を確保することは、…顧客にとって大きな価値を提供すること…競争が存在しない状況を創出すること…コストを抑えること、の三つの要件を満たすことで、可能となることがわかります。(p.133)
(高収益企業は)バックキャスティング、すなわち、まずは、将来の姿を心に描き、それを現在にまで引き戻し、将来の姿を実現するための手段をゼロベースで発想することを行ってきたのです。…現在のある姿に基づき、将来の姿を予測するのではない…(p.215)