なぜローカル経済から日本は甦るのか

「なぜローカル経済から日本は甦るのか」をKindle で読みました。前半のグローバル経済分析はエリート礼賛のようで違和感がありましたが、後半のローカル経済分析は鋭い分析で感心しました。グローバル経済とローカル経済は全く構造が違い、同じ土俵で考えては国を誤るという論に繋げています。現状、大企業が儲かるとトリクルダウンが起きて国内の中小企業が潤うということはありえないと主張しています。GとLは別物です。私自身は、ローカル経済でしか事業はやれないと納得できました。さらに小さな企業は、土俵を出来るだけ小さくすることが必要だと痛感しました。それにしても中小企業支援もやりすぎると、ゾンビ企業を生かしてしまうことになります。現在の労働力不足環境では雇用の受け皿としてのゾンビ企業は不要であると納得しました。備忘します。

リ ーマンショックで大手製造業が瀕死の重傷を負うなかでさえ 、このゾ ーンはほとんど影響を受けなかった。内需に頼った第三次産業は 、一時的に多少売り上げが落ちたとしても 、すぐに盛り返した 。むしろ 、そうした不況下でも人手不足に陥っていた 。…この事実が意味するのは 、グロ ーバルで活動する大手製造業と残りの七割を占めるサ ービス産業との間に 、強い連関がなくなっているということだ 。ページ16%
解決策として考えられるのは 、グロ ーバル経済圏の環境を世界基準に合わせるのと同じように 、日本人をはじめあらゆる国の人にとって創業しやすい環境をこの日本 、特にトップレベルと技術と人材が行き交う 、トップ大学や研究機関の周辺につくることだ 。ページ43%
少なくとも生産労働人口が減少しているロ ーカル経済圏において 、今後ますますサ ービス産業のセクターは構造的な供給力不足 、つまり人手不足に陥る 。まずはこのことを前提に物事を組み立て直さないと 、ロ ーカル経済圏で暮らす圧倒的多数の人々を幸せにすることはできないページ52%
ロ ーカル経済圏では 、生産性の高低やサ ービス内容の善し悪しによって 、必ずしも競争原理が働くわけではないのだ 。したがって 、生産性の低い企業やサ ービス内容の悪い企業が必ずしも淘汰されるわけではない。ページ63%
ロ ーカル経済圏のサ ービス産業が勝つために必要なのは 、集約化を進め 、ベストプラクティスに真面目にコツコツと取り組むことだ 。即効性のあるミラクルはない。ページ68%
しかし労働市場の様相が 「需要不足 」から 「需要過多 」に一変した今 、それも構造的に転換した今 、そういう役割はもう必要なくなっている 。低生産性の企業を保護することに 、もはや社会政策的な意味はない 。税制や各種補助金についても 、生産性に中立的か 、もし傾斜をつけるなら 、むしろ生産性の高い企業を優遇すべき時代に入っている 。ページ85%
中央資本のロ ードサイドにある店舗に顧客を取られ 、駅前の商店街にシャッタ ー街が増えた現象は 、もう十年前の話だ 。今地方で起こっているのは 、ロ ードサイドの店舗すら成り立たなくなり 、ロ ードサイドもシャッタ ー街になりつつあるという事実だ 。高齢者になると運転できなくなる。86%
…最初に生産性を上げることを考え 、女性と高齢者の就労率を上げることを考え 、外国人労働者についてはまずは高度人材から 、そして非高度人材については必要最低限の範囲で期間限定型での導入を検討し、最後に移民の問題に入るべきだ。ページ95%
そして両者に共通の課題を一つ挙げるとすれば 、産業や企業の新陳代謝ということになるが 、それを Gの世界では自由競争の促進でややラディカルに 、 Lの世界では上手な政府介入も絡ませて穏やかな退出促進で行うべきではないかという議論をしている 。おそらくここで政治的 ・政策的にハ ードルが高いのは 、特に Lの世界で 「代謝 」 「退出 」の問題に正面から取り組むことだ 。普通 、どうしても万人受けする 「新陳 」のほう 、すなわち起業支援 、ベンチャ ー支援のほうに議論が傾くが 、 Lの世界の今後の勝負どころは代謝のほうである 。ページ97%