会社法入門

会社法入門」を読みました。2005年に大改正があったことすら知りませんでした。部分改正だと思っていました。「現代語化」と「現代化」を同時に行った大改正だったそうです。本当にわかりやすい本です。これだけ噛み砕いて説明できる著者の力量に感服いたしました。法律の専門家を目指しているわけではなく、概要のみを知りたい私に対して、「はじめに」の項に明快な支持がありました。第1章と、第2章〜4章の第一項で全体の内容はわかるとのご宣託でした。それに従い精読してみました。残りの部分は飛ばし読みました。「株式会社」「改正史」「ガバナンス」「機関」「利害調整」「設立」について基本的な理解ができました。備忘します。

会社法入門 (岩波新書)

会社法入門 (岩波新書)

…株式会社形態の特質は次の5つである。・出資者による所有 ・法人格の具備 ・出資者の有限責任 ・出資者と業務執行者との分離 ・出資持分の譲渡性 …(p.4)
…基本的な事項だけは株主総会で決める。その他の事項のうちで重要な事項は取締役会で決める。決めたことを実行するのは代表取締役である。…代表取締役がものごとを決め、そして実行もする。(p.10)
…第一のファイナンスの分野は一貫して規制緩和の歴史であった。ここで規制緩和というのは、それまで商法上できなかったことができるようになった、あるいは、行うためには事前の手続きが煩雑であったものが、簡単になったという意味である。(p.21)
…ガバナンスの分野は、戦後一貫して規制強化の歴史であった。(p.22)
…第3の分野であるリオーガニゼーション、すなわち「企業組織再編」の分野については、…合併以外について、何も手を打っていなかった、…会社分割の改正をもって、この分野については整備を一気に完了することができた。(p.24)
会社法の一番の大きな改正は、有限会社と株式会社とをひとつの会社類型に統合することに合わせて、機関設計についての規整を大幅に見直して、最低限度の機関設計だけを要求することとし…(p.50)
会社法の中心は私法的ルールと言われ、こうした会社にかかわる人々の利害を調整する基本ルールを定めている。…第一は株主間の利害調整の場面、第二は株主と会社債権者…第三は株主と経営者(業務執行者)…(p.101)
株式会社の設立とは、…株式会社という団体を形成し、株式会社が法人格を取得し、法律上の人格者(法人)になるということである。(p.148)