最強の農家のつくり方

「最強の農家のつくり方」を読みました。副題は「農業界の革命児が語る究極の成長戦略」です。著者は千葉県の農家に生まれ家業を継いだ方です。若い頃から法人化を進め、インフラ投資が多い事、価格が安定しない事に挑戦し、新しいビジネスモデルを確立した物語です。環境リサイクルやクリーンジャパン、食の祭典のアイデアをみると、社会性の高い提案をされる方です。農業でなくても成功間違いなしのビジネスマンだとおもいます。首都圏から近い地の利を生かした成功譚です。備忘します。

最強の農家のつくり方

最強の農家のつくり方

川上から川下まで、生産者であるものも、仲介者も、小売、、外食も、皆、赤字スレスレのところで経営をしている。だれも儲かっていない。では誰が得をしているのか。生産から流通まで、だれも利益を得てないとすれば、一番利益を得ているのは、結局は消費者ということになる。この事実に誰も気がついてないようだ。低価格で恩恵を受けているのは、実は消費者なのである。ページ50
農作物を作るには、まず土地を確保し、生産設備を整えないといけない。ハウスを立てたり、トラクターを購入したりして、インフラを整えていくことが必要となる。他産業の人にはあまり知られていないが、農業はこうしたインフラ投資に相当なお金がかかる。ちょっと投資をしようとすれば、すぐに3000万円くらいは資金が必要となる。ページ64
農業分野は、株式会社が参入しても利益を生みにくい世界だと述べたが、株式会社の人たちが農業に正しい経営を持ち込んでくれることは意味のあることだと思う。各農家が経営感覚を持って取り組んでいけば、事態はまた違ってくるはずである。ページ69
高級品販売の方向に舵を切るわけではなく、「一般の人が生活者コストはで買える値段で、安心・安全な野菜をお届けしたい」と考えている。高いものを売りたいのではなく、採算割れを避けたいと思ってるだけだ。デフレ下での安売り競争に巻き込まれて、採算割れの価格で出荷することは、長い目で見ると誰のためにもならない。ページ79
そこで、農林水産省から運転管理を委託されているメタンガス発酵の実証プラントの原料として、野菜の絞り汁を利用している。絞り汁に牛糞の絞り汁を混ぜて発酵させ、エネルギー源としてのブタンガスをつくりだしている。ページ96
農業は環境分野の一翼を担うことができる。補助金を頼りにする保護された産業のように思われている農業だが、私は、21世紀の環境社会を引っ張っていける有望な業界ではないかと思っている。ページ104
様、よい野菜も、良い果物も、良いお肉も、良い魚も、全てを望んでいる。レスランでも、家庭の食卓でも、野菜だけでなく、魚も肉も、すべてが主役だ。それなのに、私はやさい家だから、野菜が食卓の仕上がらなきゃ困るというような考え方をしていては、お客様から見放される。マーケティングの考え方に反している。ページ110
私はこれまでにさまざまなの経営を見てきたが、経営がうまくいってる農家に共通してることに気がついた。それは道具がきれいだということ。農場がきれいだということ。道具がきちんと整頓されていて、ゴミなどはなく、農場がクリーンに保たれている農家は、経営がうまくいっている。ページ120