「仮想通貨革命で働き方が変わる」を読みました。仮想通貨が働き方に強烈なインパクトを与えることを知りました。国会で議論されている「働き方改革」を実施すれば、正規雇用の労働者の賃金が下がる可能性が高いことがわかりました。タクシー業界がUberの参入を規制するように働きかけているようですが、仮想通貨が使用されるようになれば、そもそも規制対象の企業がなくなってしまい、Uber自体も危機にさらされるとの指摘に驚きました。時代は産業革命以来の集中の時代から再び分散の時代にすすんでいるようです。備忘します。
仮想通貨革命で働き方が変わる――「働き方改革」よりも大切なこと
- 作者: 野口悠紀雄
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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社会保障制度には、高齢者になって働くことに対して重い税をかけていると同じ結果をもたらしているものが多いのである。それが、高齢者の就業意欲を低下させている可能性が高い。こうした要因を取り除くことが必要だ。ページ37
所得がなければ、もともと自己負担率が1割と低い上に、高額療養費制度があるので、医療についてはほぼ安全が確保されているといってよい。これは働かないことの特権だ。ページ44
インターネットを介して、個人の組織と対等の立場で仕事をすることが可能になってきている。また仮想通貨を利用すれば、これまでの個人事業でも最大の難所であった送金・課金の問題を解決できる。ページ62
…現在でも、ネット通じて不特定多数の人に仕事を委託するクラウドソーシングで紹介されているが、かなりの仲介手数料取られる。明治105
個人がフリーランサーとして収入を得ようとする場合に、ビットコインは重要な手段になる。ただし、そのためには、多くの人々が仮想通貨を持っていることが必要だ。ページ109
スマートフォンやデスクトップ用に様々な広告ブロックが提供されている。最もよく疲れているので、Adblock plusだ。ページ114
日本の学生とアメリカの学生の考えの違いは、…就職希望先に端的に表れている。アメリカの学生がリスクを取って将来の成長可能性を求めるのに対して、日本の学生はひたすら安定志向なのだ。この違いは、国の将来の姿に決定的な影響与えるだろう。ページ134
UberやAirbnbの仕組みは、シェアリングエコノミーとしては未完成のものだ。供給者と需要者がロックチェーンを介して直接結びつくことによって、本当のシェアリングが実現する。ページ138
本来目指すべきことは、「同一の成果に対して同一の賃金を支払う」ということであるべきだ。もともとヨーロッパで同一労働同一賃金が言われたのは、男女間の賃金格差を是正することが主たる目的であった。仕事の内容や生産性が同じであるにもかかわらず、性別によって賃金が異なるのであれば、確かに問題である。しかし、それを正規労働者と非正規労働者にあてはめようとするのは、無理がある。ページ220
労働生産性が上昇すれば、非正規労働者の賃金も上がる。それなくして表面的現象のみを捉えて強制的に賃金の同一化を求めれば、全体の賃金を下げる結果になってしまう。労働者の側からしても、ひとつの企業での非正規労働者の賃金引き上げを求めるだけでなく、副業や兼業を積極的に行い、所得全体の引き上げをすることで対処するべきではなかろうか? ページ222