最終解答 日本古代史

「最終解答 日本古代史」を読みました。副題は「神武東征から邪馬台国、日韓関係の起源まで」です。蓮舫のチェックマン、八幡和郎氏の著作です。地図、年表、系図がとても良い。外務省の官僚であった片鱗が古代外交史の解釈に現れています。それにしても神功皇后の時代、日本は積極的でした。昔の船舶で軍隊を朝鮮半島に送るのは大儀だったと思います。それでも任那だけでなく全域に影響力があったことは驚きです。また中国の冊封国家(朝貢国家)であったことはなく、中国の歴代王朝が国家として認めていたことを知りました。備忘します。

最終解答 日本古代史 (PHP文庫)

最終解答 日本古代史 (PHP文庫)

神宮皇太后は日本の正史である日本書紀で史上最大級の重要人物とされているのが、なんと、男尊女卑の保守主義者と左派系の歴史学者の奇妙な共同で理由もなく架空の人物扱いされてしまっているのです。ページ101
騎馬民族説など、東京大学の先生が提唱者でなければ誰も相手にしなかったと思います。畿内勢力としては初めて筑紫を制圧し、大陸にも遠征してしてきたのですから、十字軍がレパントの文化を持ち帰ったとか、エジプトから帰ったカエサルが東洋風の君主らしくなったのと同じくらいのエキゾチックなムード漂わせるのは当然でしょう。ページ106