お金2.0

「お金2.0」を読みました。「好きなことの熱中している人ほどうまく行きやすい世の中に変わっていきます。」(ページ219)と書いてありました。先日読んだ修身教授録には「自分のやりたいことをすぐにやる。…そしてもう一つは、夢中になるということです。夢中になることの出来ない人間はどうもダメなようですね。」とありました。80年以上前の本と相通じる意見です。私の生き方が間違っていないかもしれません。社会で生きることが「お金」中心であることは間違いありませんし、お金がなければ会社を継続することもできません。しかし著者はその黄金律が社会の変化に応じて変わりつつあると指摘しています。お金という貨幣価値だけでなく別の価値が力を持ち始めているという指摘です。「資本主義」から「価値主義」への転換です。人と人との繋がりや時間が価値として登場してきています。稼がない男は無価値、定年後は余生とうい考え方が一方的な見方であることを熱く語っています。さらに好きなことに熱中することが価値だと断じています。勇気づけられました。気分がよくなりました。構想は大胆に、やることは地道にすすめていきます。備忘します。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

現実はおおよそ3つの異なるベクトルが併存し相互に影響を及ぼしており、それらが未来の方向性を決めている。…「お金」「感情」「テクノロジー」の3つです。ページ22
現代社会の欲望を大別してみると、①本能的欲求 ②金銭欲求 ③承認欲求の3つにわけられます。ページ44
誰か特定の人が必死に動き回っていないと崩壊するような仕組みでは長くは続きません。…この持続的かつ自動的に発展していくような「経済システム」には…5つの共通点があることに気づきました。①インセンティブ ②リアルタイム ③不確実性 ④ヒエラルキー ⑤コミュニケーション の5つです。ページ51
つまり、今の時代の経営者には、意識的にせよ、無意識的にせよ、この5つの要素を理解し、よくできた「経済システム」を作るプロであることが求められています。ページ70
脳は、一言で言えば非常に「退屈しやすい」「飽きやすい」性格を持っています。…反対に脳は予測が難しいリスクのある不確実な感興で得た報酬により多くの快楽を感じやすいことが研究でわかっています。ページ84
人間は他社との比較の中で自分が不幸か幸福か、優れているか劣っているかを判断する相対的な生き物です。…他人より比較優位にありたいという欲望が、人間が継続的な努力をする原動力となり、これを集団の全員が思うことで全体が発展していくことができます。ページ87
…まとめると「絶えずエネルギーが流れるような環境にあり、相互作用を持つ動的なネットワークは、代謝をしながら自動的に秩序を形成して、情報を内部に記憶することでその秩序を強固なものにする。ページ96
…これから10年という単位で言えばそれは「分散化」です。…既存の経済や社会は…「中央集権化」によって秩序を保ってきた。ページ112
分散化が進んでいくと情報やものの仲介だけでは価値を発揮できず、独自に価値を発揮する経済システムそのものを作ることが出来る存在が大きな力をもつようになります。ページ114
そこでKikはアプリ内で活用できる独自の仮想通貨を発行してコミュニケーションを起点に独自の経済圏を作ることを計画しています。ページ125
世の中に膨大なデータが溢れたことで進んでいく「自動化」と、ネットワーク型社会に移行することでおこる「分散化」という大きな流れは、今後の10年を考える上で非常に重要になります。ページ135
ものを扱わないネット企業で、財務諸表上の価値として認識されないもののひとつが「人材」、もうひとつが「データ」です。ページ150
今後は、可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくことが予想されます。ページ163
価値主義で扱う価値とは、①有用性としての価値だけでなく、②人間の内面的な価値や、③全体の持続性を高めるような社会的な価値も、すべて価値として扱う仕組みです。ページ169
既存の経済ではマネーキャピタルを増やすことがうまい人(経営者・投資家)が大きな力を持っていましたが、これからはソーシャルキャピタルを増やすのに長けた人も大きな力を持つようになると思います。ページ178
企業の安定性は「収入」以上に「資産」にかかっていることは経営者であればよく理解していると思います。資産という点では貴魚に比べて個人は圧倒的に不利です。ページ196
VALUは…個人の価値をトレードできるマイクロトレードサービスです。ページ201
人生の意義や目的とは欠落・欲求不満から生まれるものですが、あらゆるものが満たされた世界では、この人生の意義や目的こそが逆に「価値」になりつつあります。ページ217
価値主義の世界ではどんな働き方や生き方がスタンダードになっていくでしょうか。答えは非常にシンプルで「好きなことの熱中している人ほどうまく行きやすい」世の中に変わっていきます。ページ219
金銭的なリターンを第一に考えるほど儲からなくなり、何かに熱中している人ほど結果的に利益を得られるようになります。ページ222
これまでの経済はいかに役に立つかを価値の前提にしてきて、使用価値のないものに価値を認めてきませんでした。…しかし、共感・熱狂・信頼・好意・感謝のような内面的価値は、SNSといったネットワーク上で爆発的な勢いで広まっていきます。ページ223
…重要なのは「個人の価値」です。個人の価値を高めておけば、それをお金に変換することもできますし、お金以外の他の価値に変換することができます。ここでいう価値とは、①スキル・経験のような実用性としての価値、②共感や好意のような内面的な価値、③信頼・人脈のような繋がりとしての社会的な価値、のいずれも含みます。ページ229
これからの競争は、自分なりの独自の枠組みをつくれるかどうかの競争になります。枠組みの中での競争ではなく、枠組みそのものを作る競争です。ページ231