センベイブラザーズのキセキ

「センベイブラザーズのキセキ」を読みました。面白い読み物です。潰れそうな零細企業(煎餅製造)がどのように再生したかの物語です。職人気質の弟とデザイナー上がりの兄が、亡き父の遺志をついで黒字化する努力に感服しました。ブランドを発信し、お客様の声を聞き、周りの様々な人の協力を得て、発展していく姿に事業家精神を感じました。勇気をもらいました。備忘します。

倒産寸前からの復活! センベイブラザーズのキセキ ~赤字を1年で黒字化 金、時間、経験なし 町工場の奮闘記~

倒産寸前からの復活! センベイブラザーズのキセキ ~赤字を1年で黒字化 金、時間、経験なし 町工場の奮闘記~

このロゴは、僕が20年やってきたデザインワークの中で、一番の作品だと思っている。…正直、ミススタンプすることも多々あった。ミスしないように、一つ一つ丁寧に押していく。そんなアナログならではの地道な作業として、よりロゴマークへの愛情が芽生え、そのことがブランド急成長の追い風になってくれた気がする。 ブランドも人も、ともに育っていく。そんな経験ができたのはデザイナー冥利に尽きる。ページ57
実際に自分たちでせんべいを販売してみると、いろんな用途要望があることを学んでいった。「お遣いもの文化」若いママさんたちは、まずは、自家用に2、3個、購入し、次の来店では、10数個まとめて買っていってくれる。そんなパターンが多く、商品を選ぶ際には「この前のお礼に」とか「誰それに持っていく」などと口にしながら選んでいく光景をよく目にした。ページ75
僕らにとって身震いするような言葉の数々に、11月の寒さなんか一気に吹き飛んだ。結果、お試しいただいた人の8割ぐらいかせんべいを買っていってくれた。目指せ、「脱・煎餅離れ」。ピンチをチャンスに変えた瞬間だ。そんな感じで始まった僕らの路上販売だったが、売り場で色んなことに気づくことができ、たくさんの学びを得た。商品開発から接客、お店づくりに至るまで、可能な限りの改善を行い、僕らは知的にもいろんな筋肉をつけていた。ページ92
そんな僕らのゲリラ的なコンセプトの発信効果は、その後の結果にも充分すぎるほどに表れていた。他の場所で催事をやっても、ルミネで覚えてくれた人が店頭で足を止め、商品に興味を持ってくれる。その後のメディアからの取材依頼のきっかけにも大きく影響した。僕らと同じような仕事をしている人たちにも、自分たちのやりたいことを明文化し、発信し続けることを強くお勧めしたい。ページ124
人も会社も、決して強くない。足りない部分を補ってくれる家族や仲間がいて、人も会社も初めて生きていける。僕ら兄弟もそうだ。お互いの弱いところは補い、強いところ最大限に後押しする。兄弟の放ち合う最大限のパワーが新しい活路を開いていく。ページ186
世の中には色んな職人さんがいると思うが、機会があればぜひ、現場にこもりきりでなく、外に出てほしいと思う。現場も大事だけど、外に出ることで、いろんなきっかけをもらえるし、あなたにしかできない技術力を発信できるかもしれないから。ページ202