チャットボット

「チャットボット」を読みました。2016年の発刊です。4年前に、ほぼ現在の状況を正しく予想しています。驚きました! AIとボットの融合の優劣を競う時代がくると喝破していました。ここ数年のテレビで扱っている新技術は、すでに2016年には、ほぼ完成していたことがわかります。新聞やテレビに取り上げられたらもう古いというのは確かです。今、既存の技術、例えばweb、TwitterYoutubeなどに費用投下する会社は無駄なことをしているのかもしれません。備忘します。

「チャット」とはご存知のようにオンライン上での人との会話主にテキストメッセージを指します。そして「チャットボット」とは人ではなくソフトウェアがチャットの応対を代行する仕組みです。ページ8
「ボット」とはロボットの略で人の介在なしに、何かを命令すると、その命令を実行してくれるものと言う概念やソフトウェアのことを指します。…Googleボットの例でもわかるとおり、ボットの本質は自動化にあります。人が実践するよりも目的を達成するためのプログラムによる自動化ですが、生産性を求めるエンジニアにとってはなじみのある技術であるといえます。ページ14
今後、ブランドの重要な顧客接点場所となります。従来のようにウェブサイトやアプリ経由でのアクセス、あるいは店舗への訪問よりも先に、まずブランドのボットと会話を始めることが、そのブランドのとの接点になる可能性があるのです。ページ42
ボット間における関係性の概念として「サブボット」と「ユニバーサルボット」というものがあります。「ユニバーサルボット」は、FacebookのMやiOSのSiriなどのような汎用的なアシスタントボットを指します。一方「サブボット」は、買い物やニュースなど単一機能、(あるいは機能制限した)に特化したボットです。ページ57
ユニバーサルボットの登場はまだ予測の範囲となりますが、その座を最も熱望しているプラットフォームはどこでしょうか。…現実に目を向けると、音声制御のコンシェルジュサービス「アレクサ」が好調のアマゾンこそ、その地位に最も近い存在と言えるでしょう。ページ60
LINEを通して、Microsoftが提供する女子高生型人工知能の「りんな」ご存知でしょうか。おしゃべり好きの女子高生と言う設定のLINEアカウントで、友人同士のような自然な会話ができるのが特徴です。ページ67
「ダークソーシャル」と言う言葉をご存知でしょうか。「ダークソーシャル」とは、アクセス解析において、流入元がわからないユーザの訪問チャンネルのことを指します。その割合が年々増えてきていることから、ウェブマーケターの間で重要視され始めている概念です。ページ73
ボットから送られたメッセージだからとMessengerのスレッドを放置するようになり、さらに通知もそのまま放置しておくようになるかもしれない。その次には「人」ならなのかか「ボット」からなのか区別も面倒になり、そもそもMessengerを開かなくなることもあり得る。ページ82
Kikは、「チャットを通じて世界中のあらゆるものにつながる」というミッションを掲げるカナダ生まれのメッセージングアプリです。「Facebookはダサイ」と感じるティーンエイジャーを中心にユーザー数を増やしています。ページ 87
Teregramは2013年に設立されました。Messengerアプリとしては後発ながら、メッセージの暗号とプライバシーに注力することでヨーロッパや南米、そして韓国を中心にユーザ数を伸ばしている人気サービスであり、ロシア最大のSNSである「VK」の創業者によって作られたメッセージアプリです。ページ88
今のボットトレンドを切り開いたといっても過言ではない、世界を席巻している大人気のビジネスコミニケーションアプリ「Slack」。…世界中の開発者に愛されているサービスです。ページ92
…WeChatにしかない独自の機能も非常に充実しています。中でも最も発達して頻繁に利用されているのが、モバイル決済サービスWechatPayです。まるでWeChat自体がクレジットカードになるかのようなサービスで、アプリに銀行の情報を登録するだけで、オンライン上の決済もちろん、実店舗での決済がスマホでできるようになるのです。ページ126
チャットボットは近い将来人々もなくてはならないパートナーとして、日々の決断のサポートをしてくれるようになります。チャット上のやり取りから、ユーザの希望や思考分析をして提案したり、オンライン上だけでなく周囲のものを制御してリアルな生活領域までボットが介入したりし始めるでしょう。ページ180
…インターネットの歴史を振り返って見てもわかるとおりで、勝者総取り。優れた成果を出したチャットボット、つまり最も多くの会話を誘発させたAIエンジンを提供する企業が大きな存在感を持つようになることが考えられます。…最も賢いボットを生み出せるプラットフォームに、ユーザが集約されていく事は容易に想像できます。ページ185