還暦からの底力

「還暦からの底力」を読みました。ライフネット生命創業者、出口浩明氏の著作です。「ビジネスに年齢は関係ない」という一貫して変わらない主張です。そばでお話しすると息がつまる方ですが、本で読むと腹落ちします。「飯、風呂、寝る」から「人、本、旅」の生活に転換した方が楽しいよとアドバイスしています。働くことが健康の秘訣だというのは、実践している私へのエールです。備忘します。

そもそも働くと言う事は、昔何をやっていたのか、何ができたのかは関係がなく、現在の能力と意欲、体力に応じてそれにふさわしい仕事をするというのが世界の常識です。日本もそういう当たり前の世界を目指すべきです。ページ26
世界に目を向けるとアメリカや連合国を始め、ほとんどの国では定年がありません。なぜなら人間が大人になると言う事は、自分の食い扶持は自分で得る、実は働き続けることによってのみ健康寿命も延びるのです。ページ29
たくさんの人に会い、たくさん本を読み、いろいろなところに出かけていって刺激を受ける。つまり、「飯、風呂、寝る」の低学歴社会から「人、本、旅」の高学歴社会へと切り替えなければならないのです。ページ44
人生で大切なのは、何といってもパートナーや気のおけない友人達と過ごす時間であり、自分が好きなことをする時間です。ページ57
人間観には大きく2種類あります。「人間は勉強すればそこそこ、賢くなれる」という人間観と、「人間は猪八戒のようなもの。つい怠けるし、異性にはすぐ心が動くし、おいしいものには目がなくていっぱい食べてしまう」という人間観です。もちろん僕は後者だと思っています。ページ60
死については古来、哲学者たちが「人間はどこから来てどこへ行くのだろう」と考えてきました。しかし、今は自然科学の進歩でもう答えがわかっています。私たちは星のかけらから誕生した生物の1種で、死んだらまた星のかけらに戻るだけ。すなわち、死んだら物質に戻り地に帰る。そこに感傷の入り込む余地は全くありません。ページ77
要するに来るものは拒まず去るものは追わずで、ゆるく扉を開いているだけです。自分にアクセスしてくれる人は、自分のことを面白いと思ってくれているのだから、ありがたいと思って受け入れる。自分から去るということは、その人にとって自分は魅力がないということなので、追いかけても仕方がない。ページ85
議論をする、あるいはコミュニケーションを取るときのベースになるものは、「数学、ファクト、ロジック」です。極論すればそれ以外に方法はありません。しかし、残念ながら世の中では根拠なき精神論や、エビデンスではなくエピソードを延々と述べる議論がまかり通っています。ページ230
好きなことをやる、あるいはやれること。人間の幸せはそれに尽きます。「人、本、旅」でいろんな人に会い、いろいろな本を読み、いろいろなところに出かけていって刺激を受けたら、たくさんの学びが得られ、その分人生は楽しくなります。ページ242