最終解答 日本近現代史

「最終解答 日本近現代史」を読みました。蓮舫議員の二重国籍問題を追及した八幡和郎氏の著作です。主張がはっきりしているので読みやすい内容になっています。右よりだと誤解している人が多いようですが、中道リベラルくらいの立ち位置です。歴史に造詣が深く、知識と見解にうなることが度々です。司馬史観の行き過ぎをいくつか指摘していて笑えました。坂本龍馬井伊直弼について事実と違うと述べています。歴史小説大河ドラマは見ない方がいいそうです。備忘します。

最終解答 日本近現代史 (PHP文庫)

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…しかも、安全かといえば、日本の農薬使用量は中国や韓国と並んで世界最高水準です。これは兼業農家が多いので、手間を省くことも原因です。また、不正表示なども起こし、中国に比べれば安全とはいえるかもしれませんが、国産食品は国際的な標準に照らして安全だと思っているのは、日本人だけでしょう。ページ57
「賢者は歴史から学ぶ」という格言を信じるなら、歴史小説大河ドラマなどを見ないことを私はお勧めします。ページ87
自称ハト派がやっている装備充実反対、自衛隊への侮辱、経済的優遇への反対はすべて、志願兵制を崩壊させ、徴兵制へ向かわざるを得ない事態を近づける最悪の行動です。ページ125
政党活動に政治資金は必要ですから、それを集めることが悪いことであるようなところまで批判をエスカレートするべきではありません。また外交問題での国益を無視した極端な攻撃も考えものです。そうした、節度わきまえない対立等攻撃をしていては、国民も政党政治に不信感を持ってしまいます。そんな未熟な態度が憲政の常道を破壊しましたし、一世紀近く後の平成の時代の政治をみても相変わらずという感があります。ページ185
韓国のような国民性の国とは、主張すべきはきちんとし、喧嘩もするということのほうが長い目では良いのかもしれません。ページ233
開戦前の最後の1年余について言えば、日独伊3国同盟を結んだのは致命的なミスで、ドイツと開戦したいルーズベルトに利用されてしまいました。ページ250
アメリカは、原爆を実際に投下する前に、①それを予告して考えさせたり民間人を避難させる時間を与える、②ソ連の参戦を示唆してそれ以前の降伏を促す、③もっと人口の少ない軍事拠点などを第一号の投下地点にする、といった配慮すべきだったと思います。ページ262
憲法が日本の安全を守ってきたという人がいます。しかし、それは間違いです。平和憲法と、強力な安保体制と控えめな自衛隊、そして経済力の3点セットが守ってきたのです。どれ1つとして欠かせないものなのです。ページ276
…というわけで、内心忸怩たるものがあるにせよ、アメリカの施政権下に沖縄を置き、二国間交渉で沖縄の地位を変更できるようにしておいたのはまことに賢明でした。ページ286
…昭和55年頃、大平の遺言を捨て去った日本は地獄へ、アドバイスを受け入れた中国は天国への道を選択したと言えば言い過ぎでしょうか。ページ300