なぜあの経営者はすごいのか

「なぜあの経営者はすごいのか」を読みました。孫正義、松本晃、永守重信似鳥昭雄新浪剛史、岡藤正広、星野桂路、そうそうたるメンバーです。彼らには及びもつきませんが事績、考え方を辿ってみました。「実力」プラス「運」かなあ。祖父が「運ははこぶと読む、自分でひきよせるものだ」と言っていたとか… ニトリの社長は底が知れない、魅力的な方だと思いました。備忘します。

なぜあの経営者はすごいのか―――数字で読み解くトップの手腕

なぜあの経営者はすごいのか―――数字で読み解くトップの手腕

  • 作者:山根 節
  • 発売日: 2016/06/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

つまり戦略や戦術を決めるのは、理念である。形も同じで、何がやりたいか? 何をなすべきか? が決まらなければ設計図は決まらない。困ったことに、日本のトップはここがはっきりしない人が多い。ページ10
…JR鳥栖駅脇の「無番地」で生まれ。トタン屋根の家で育った。幼少の頃、在日韓国人というだけで、いわれのない差別を受ける。その溢れるほどのエネルギーと多様な人を受け入れる優しさは、この体験がバネになっているのだろう。ページ61
そんな折に、異業種勉強会で出会ったのがカルビーの3代目社長松尾正彦である。求められて2008年6月から社外取締役になった。役員会で「良い会社だが、最近は成長していない。ちょっと工夫すれば良い会社になる」とアドバイスしたところ、「それなら社長にならないか」と誘われる。「社長ではなく会長なら」、ということで会長兼CEOを引き受けることになった。ページ68
そこで松本はまず、本社のオフィスを構造的に変えた。オフィスをフリーアドレスにしたのだ。カルビーフリーアドレスはかなりユニークである…このシステムの面白いところは、人事が言うように1つは部門間の横連携が進みやすくなると言うことである。フリーアドレスオフィスの説明には、「ミーティングもオープン」「思い立ったら集まろう」「大いに立ち話すべし」と書かれてあった。ページ81
また自動車や家電などすべての分野で、省エネ、高効率化がテーマになっている。永守によれば、「世界の電力消費の50%以上はモーターによるものだ」という。あらゆる分野で高効率で省エネのモーター開発が期待されている。そんな世の中の流れも、日本電産の追い風になる。ページ128
漢字で名前をかけない小学生と、今日の大企業経営者似鳥との落差、これがニトリの経営スタイルを雄弁に物語っているのではないだろうか。真骨頂は「落差」、いや伸びしろにある。ページ138
経営者とは人を上手に使う能力に優れた人であり、経営を担当する従業員に過ぎない。リーダーたる経営者が全てにおいて優秀で、フォロワーが劣っていると言う優劣の関係ではもとよりない。一般に誤解が多いが、フォロワーが様々な専門的能力でリーダーより優れているのは、ごく普通のことだ。ページ146
商売のキーワードである「か・け・ふ」も岡藤が自ら考えた。商売は「稼ぐ、無駄を削る、リスクを防ぐ」こと。この商売の基本を地道に実行することで、すでに伊藤忠が御三家の地位になたった。どんな苦難があってもライバルを作って立ち向かう、それが人生の糧だと。ページ213
体が丈夫で大病も患ったこともない経営者は、健康は大事と口でなんぼ言っても魂が入っていない。病気になるのは、たるんでいるからや、と心で思ってる人が多いんじゃないかな。ページ239
星野は、「企業再生を成功させるポイントは?」といわれて、次のように答えている。「まず、将来どんな会社になりたいかを全員に明確に示します。第2に、経営者が、その将来像に最短距離で向かおうとする、本気の姿勢を約束します。目標に到達するには1円も惜しまない代わりに、1円も無駄にしないことを誓うのです。…最後に、これが最も重要だと思うのですが、社員が楽しく仕事ができる環境を提供します。どうしたら皆が仕事を楽しめるのか、それを追求しています。ページ250
経営を継続するためには儲けが必要である。利益と両立できない顧客満足度に意味は無い。だから星野リゾートの達成目標は最初に利益が来る。そして顧客満足」や環境経営が続く。利益率を顧みない顧客満足や環境系は、企業として継続できないからだ。ページ261
日本に足りないのは、専門教育ではなく経営教育だ。その点、経営のプロたちはものすごく勉強している。ページ280