「地方再生のレシピ」を読みました。山形県在住、庄内地方のレストラン経営者、奥田政行氏の奮闘記です。本編では「食」から町おこしをすすめた実際を記しています。絵や写真が満載で、見ているだけで理解できる本です。この本は三宅さん(ロボット協議会の仲間)から紹介をいただきました。「プレゼンの方法はこんな風にやるんだよ」と、この本の「私の講演の組み立て方」(ページ159)を指し示してくれました。よいプレゼンモデルです。
「自己紹介」→「お店を出すまで」→「お店を出してからの苦労」→「地元のものを集める苦労」→「そのやり方を細かく説明」→「庄内を食の都にするための気持ち」→「生産者とのお付き合いのしかた」→「行政とのおつきあいのしかた」→「これからの庄内を考える」→「未来予想図」→「形のないものを形にする方法」→「料理を使って地域を元気にする」→「ご静聴ありがとうございました」。といった具合で、「笑いをとる」とか「興味のありなし」「盛り上げるために脱線しても必ず本筋に戻る」などのアドバイスもあり、たいへん参考になりました。
著者は、自分の考えをグイグイと発信して、周りの人を巻き込んでいく人です。奥田氏のやり方を見ていると、パワフルですが、一緒にいると疲れる人かもしれません。食材に対する考え方とか、ひとつのことを追求していく力は常人ではありません…。備忘します。
- 作者:奥田政行
- 発売日: 2015/10/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
野菜は、動物性の香りと交わったときに、野菜の中に眠っている香りが最も引き出されます。ページ110
6次産業化を進めるときに気をつけなければならないのは、なんと言っても「出口」を考えてから商品を作る、という基本をきちんと考えることです。…商品を作る目的は何なのか、どんなビジョンを描いているのか、はたまた、何に困ってるのか、その先の未来をどうしたいのか、そうした、「どっちを向いて、誰のために、どんあ料理(加工品)を作るのか」の基本が明確でないものは、商品の狙いがぼやけて結果的に消費者がほしがるようなものにはなりません。ページ144