ビジネス心理学100本ノック

「ビジネス心理学100本ノック」を読みました。一般の人にわかりやすく心理学の成果を伝えています。「アリエリー教授の行動経済学入門」に書いてあった内容と重複する部分も多く流し読みで読了しました。著者が真面目な分、事例が堅い感じです。自分や他人の心理がわかってもどうすることもできないです。「心の闇」は笑い飛ばすしかないけどね。「忙しいのを匂わせる」のは自信のない証拠だというのは当たってます。自分がそうなので間違いありません。気をつけよう! 備忘します。

ビジネス心理学 100本ノック (日経文庫)

ビジネス心理学 100本ノック (日経文庫)

このようにただ単に接触頻度が高いと言うだけで魅力が増すことを「単純接触効果」と言いますが、その絶大な効果は、多くの心理実験により証明されています。ページ25
ここから言えるのは、共通点があるだけで好意的感情が湧いてくるということです。人間は気持ちで動く動物ですから、好意的な関係を築くことがビジネスにつながっていきます。ゆえに、ビジネスをうまく進めるには相手との共通点を見つけることがポイントとなります。ページ27
日自分のせいじゃないと言って自分を正当化したい思いはあるでしょうが、それを言ったら相手との関係をこじれてしまい、良い事は何もありません。大事なのは誠意を示すことです。それで関係が改善でき、良好な関係を維持できるのであれば、大成功と言えましょう。ページ35
SNSの時代になって特に目立つのが、匂わせ過剰症候群と私が名付けている過剰な匂わせです。仕事がうまくいくと、誰かに自慢せずにはいられず、Facebookやブログでつぶやく。名の通った会社の仕事に関わると、その会社名を吹聴したくなり、さりげなく会社名が分かる写真がアップする。…出張するたびに出張先の駅や街中の写真をアップして、自分があちこち駆け回ってることを匂わす。匂わせが過剰になってしまうのは、本当は自分に自信がないからです。それで実際以上に自分を大きく見せたくなる。いわば承認欲求の虜になっているのです。その結果が過剰な匂わせとなります。ページ41
このように誰でもが自分は平均以上と思う心理傾向を持つものです。それが人事評価に対して渦巻く不満のもとになっているといえます。ページ51
我慢する力、衝動をコントロールする力、必要に応じて感情表現を抑制する力など、自己コントロール力が高いほど、大人になってから健康度が高く、収入が高く、犯罪を犯すことが少ないことがわかったのです。このような自己コントロール力は、まさに日本の子育てや教育において伝統的に重視されてきたものといえます。日本人の優秀さには根拠があったのです。ページ87
習慣形成の威力は心理学でも実証されています。子供時代に自分の中の怠惰な気持ちや安易な気持ちを克服する習慣をみにつけてこなかった人には、ここで一念発起して自分が望ましいと思う行動の習慣かにチャレンジしてみたらどうでしょう。いずれ自動化することを夢見て、2週間ほどがんばってみれば、次第に楽になっていくはずです。ページ93
リーダーには2つの機能を発揮することが求められます。それは、課題遂行を志向した行動とメンバー同士の関係形成を志向した行動です。ページ130
中断された課題についての記憶は、完成された課題についての記憶よりも、思い出しやすい、つまり強く心に引っかかっていることを指します。心理学者の名前をとってツアイガルニク効果といいます。ページ178
様々な結果の研究の結果を総合すると相手が初めから関心を持ってくれている場合はクライマックス法が効果的で、相手の関心が薄い場合は反クライマックス法が効果的と言えそうです。ページ189
要するにレジリエンス力が低いのです。…困難な状況にあっても、心が折れずに適応していく力。一時的に落ち込むことがあっても、すぐそこから回復し立ち直る力。どんなに辛い状況でもあきらめずに頑張り続けられる力。そのような逆境に対する強さを意味します。最近の若者にレジリエンスの低いタイプが多いのは、傷つかないように褒めて育てるという教育のせいで、厳しい状況に追い込まれて心が鍛えられるといった経験が乏しいためだと考えられます。ページ221