60歳からの人生を楽しむ孤独力

「60歳からの人生を楽しむ孤独力」を読みました。これから高齢者になる人の心構えを述べています。もう激しい時代は終わったのだから、「いい加減に」「ずぼらに」行こう!と勧めています。50歳後半の方に最適な本だと思います。相手にされない悔しさや怒りが止められなくなること、「あるある」のエピソード満載です。「沈黙は金、雄弁は銀」の諺の意味が、沈黙より雄弁の方が大事だという説をはじめて聞きました。「音読」の老齢化防止効果につては、その通りだと思いました。軽い読み物です。備忘します。

大抵の事は、「ちょこっと力を抜いた姿勢」で学んだ方が臨んだほうがうまくいくもの。…ただし、前向きな態度でいる事は忘れてはなりません。この微妙な立ち位置が「ちょこっとずぼら」というわけで、これはシニアたちにとって必要となる孤独力を身に付けるためにも大切な考え方です。ページ3
…「前後際断」(沢庵和尚」とあります。これを現代風に訳すと「過去の栄光を捨て、現在の栄光は未来にもっていくな、もしそのようなことをすれば、過去や現在に心が囚われ、向上できない」という意味になります。ページ18
残念ながら歳をとるにつれて活躍の場が少しずつ減っていくのはやむを得ないこと。それを素直に受け入れて、頑張りすぎないのが、心穏やかに過ごす秘訣だと私は考えています。ページ24
きっと必要とされる時が来ると考えていれば、再就職先に感じた不平や不満、社会からの疎外感など簡単に払拭できるでしょう。ページ33
幸せの形は人それぞれですが、幸せを感じやすい人に共通しているのは、「自己肯定感」が高いということです。ページ55
率先して手を貸してあげるのです。…当然相手は感謝するでしょうが、「いいえお気になさらず」とは言わず、「私が困ったときに助けてもらうこともあると思いますので」と言いましょう。…同程度のことを求める同一義務条件を提示すると安心するのです。ページ98
忠告や苦言を聞かされるのは嫌なものです。その気持ちは歳を重ねれば重ねるほど強くなっていき、それが正しいことだとわかっていても反発したくなるのでしょう。しかし、そこを我慢して意見を聞き入れるのが年の功ではないでしょうか。ページ134
沈黙は金と言う諺があります。ほとんどの人が沈黙は、金にも例えられるほどの価値があると言う意味で使っていて、…「沈黙は金、雄弁は銀」として使われるのが本来です。実はこの英語の格言が成立した当時、かの土地では金より銀の方が価値が高かったそうです。つまり、本来は「沈黙するよりも雄弁な方が価値のある」ことなのだという意味だったのです。ページ158
多くの箴言を残したラ・ロシュフコーも「語り合ってみて理性も好感も感じられない人間が多いのは、自分の言いたいことで頭がいっぱいで、相手の言葉に耳をかさない連中が多いからだ」と語っています。ページ168
最初に老化し始める脳の領域は、感情のコントロールなど精神活動をつかさどっているのも前頭葉という部分です。つまり、加齢とともに感情のコントロールが難しくなり、ささいなことに腹を立て、大声を出しがちになるのです。ページ176
仕事も人間関係も、バランス感覚がないとうまくいきません。「いい加減」にしてみることで、それが磨かれていくのです。この「いい加減」を身に付ければ人間関係の達人になれるかもしれません。ページ213
病気になったとしても…「だからよかった。」体も頭もいっぱいいっぱいと言うサインだろう。きっと病気は神様がくれた休日だ。しばらくのんびり休んで充電する良いチャンスになった…といったように考えるわけです…「だから良かった」とすると、少なくとも悩み続けることに一旦は終止符を打つことができます。ページ237
そして「いまさら」と口にした途端自分自身の思考や行動にブレーキがかかります。前向きな姿勢や歩みを進める意欲を喪失状態になってしまうのが「いまさら」なのです。ページ258
…これは音読と言う読み方で、黙読では文字情報が「目→脳」というシンプルな伝わり方をしますが、音読は「目→脳→発音器官」のように、いったん脳に伝わった情報をほぼ同時に発声器官に伝えるため、脳が多いに活性化します。音読の効果は想像以上です。ページ266