ライフシフト 100年時代の人生戦略

「ライフシフト 100年時代の人生戦略」を読みました。私の行動は、長寿時代に適応する行動だと得心しました。私は、起業家ではなく、インデペンデントプロデューサー(独立生産者)です。団塊の世代、その子供、孫の三つ世代で、経済的、心理的にどのように変わるべきかを解説しています。団塊の世代は、教育、就職、引退の三つのステージで事足りました。しかし、次第に寿命が長くなって、そのロールモデルが通用しなくなってきた現実があります。それに対処するにはマルチステージの能力を身につけるべきだと提案しています。「幸福の最大の源は、煎じ詰めれば、無形の資産、つまり家族や友人との関係、それに好奇心や情熱なのだ」肝に銘じました。備忘します。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

長寿を厄災にしない方法はある。多くの人が今より長い年数働くようになることは間違いないが、呪われたように仕事に追いまくられ、疲弊させられる未来は避けられる。
もっと柔軟に、もっと自分らしい生き方を選ぶ道もある。仕事を長期間中断したり、転身を重ねたりしながら、生涯を通じて様々なキャリアを経験する、そんなマルチステージの人生を実践すればいい。…このように人生を組み立て直すのは簡単ではない。私たち一人一人も大きく変わる必要があるし、企業などの雇用主や、社会と国家も大きく変わる必要がある。ページ21
良い人生を送りたければよく考えて計画を立て、金銭的要素と非金銭的要素、経済的要素と心理的要素、理性的要素と感情的要素のバランスをとることが必要とされる。100年ライフでは、お金の問題に適切に対処することが不可欠だが、お金が最も重要な資源だと誤解してはならない。家族、友人関係、精神の健康、幸福なども極めて重要な要素とされる。ページ24
人生が短かった頃は、余暇をもっぱらリラックスのために用いるのが理なっていたが、人生が長くなれば、余暇は、新しいステージに向けて自分を再創造するための投資の時間にもなる。100年ライフの恩恵の1つは、余暇時間の使い方を見直し、消費とレクリエーション(娯楽)の比重を減らして、投資とリ・クリエーション(再創造)の比重を増やせることなのかもしれない。ページ28
過去の世代には必要なかった事だが、私たちは、自分がどのような人間か、自分の人生をどのように組み立てたいか、自分のアイデンティティーと価値観を人生にどのように反映させるかを一人一人考えなくてはならない。ページ38
考慮すべき要素の1つは、人口構成の影響だ。これから経済に及ぼす影響は大きい。増加する高齢者の需要は、産業の興亡と商品やサービスの市場価格に反映されていく。例えば、長寿と生物工学に関する研究が際立った成長産業になり、サービス産業では医療と高齢者向けサービスの比重が大きくなる可能性が高い。ページ92
…人間固有の能力を2種類上げている。1つは、複雑な問題解決に関わる能力だ。ここでは専門知識、帰納的推論の能力、コミュニケーションスキルが必要とされる。…一方もう1種類の人間固有の能力は、対人関係搭乗橋適応能力だ。こちらは、主に体を使う仕事で必要とされる場合が多い。ページ110
テクノロジーの進歩によって消滅しない職に就きたいなら、次の2つのカテゴリーから職を探すべきだ。1つは、人間が絶対優位を持っている仕事、もう一つは、人間が比較優位を持っている仕事である。前者は人間がロボットや人工知能より優れた課題処理能力を持っている仕事のことだ。創造性、共感、問題解決、そしてドアを開けるなども多くの身体世間的作業に関しては、今のところ人間が明らかに絶対優位思っている。ページ117
金銭的資産が乏しかったり、ほかの人より少なかったりすれば、不満は生まれる。しかし、人生に満足している人に共通する際立った要素の1つは生涯を通して深くて強力な人間関係を築いていることだった。ページ125
将来的にはイノベーション能力と創造性の価値が大きくなり、アイデアの創造を後押する教育の重要性が高まる。こうした潮流を受けて人間ならではのスキルと人間による判断の重要性が増す。…長く生産的な人生を送るためには、思考の柔軟性と敏しょう性など、どの分野でも役に立つ汎用スキルがいっそう必要とされるようになる。ページ133
…中でも重要なのは、小規模な仕事仲間のネットワーク、それも相互の信頼で結ばれた強力なネットワークらしい。そのようなネットワークのメンバーは、互いに多様なスキルと専門知識を持ってることが多く、職業上の成長支え会うことができる。ページ138
生産性資産を築く上で、高い評価を評判を確立することの重要性は計り知れない。せっかく価値あるスキルや知識を持っていても、好ましい評判を持っていなければ、それを生産的に活用できないからだ。職業上の社会関係資本も、評判の影響を強く受ける場合がある。評判がよくないと、質の高い仕事仲間のネットワークを築けない可能性が高い。ページ140
人が大きく変わるのは、一歩下がって内省し、その結果について判断を下す時だ。行動の仕方や物の感じ方だけでなく、ものの仕方を変えるとき、何を知っているかだけでなく、どのようにしているかを変えるとき、変化は起きる。ページ162
成功を収める人たちにとっても、変化はストレスを伴う試練と感じられるだろう。そこで重要になるのは「変身資産」だ。人生の新しいステージで成功するために、自分についての知識を充実させ、新しい活力ある人的ネットワークを築き、様々な経験に対して開かれた姿勢を保つために投資しなくてはならない。ページ196
今出現しつつあるインデペンデントプロデューサーのステージでは、旧来の企業とかとは性質の性格の異なる新しいタイプの起業家になったり、企業と新しいタイプのパートナー関係を結んだりして経済活動に携わる。旧来のキャリアの道筋から外れて自分のビジネスを始めた人たちがこのステージを生きる。エクスプローラーのステージと同様、特定の年齢層に限定されるステージではない。人生のどの段階にいる人でも実践できる。インデペンデントプロデューサーとは、一言で言えば、職を探す人でなくではなく自分の職を生み出す人だ。ページ239
言うまでもなく、起業家は過去のどの時代にもいた。しかし、本書で起業家ではなくインデペンデントプロデューサー(独立生産者)という言葉を使うのは、ビジネスを希望と本人の野心のスケールを正しく表現したかったからだ。インデペンデントプロデューサーは基本的に、永続的な企業作ろうと思っていない。事業を成長させて売却することを目的にしていないのだ。彼らが行うのは、もっと一時的なビジネスだ。ときには目の前のチャンスを活かすための1回限りのビジネスを場合もある。このステージを生きる人たちは、成功することよりも、ビジネスの活動自体を目的にしている。事業売却することでなく、事業始めることが目的だ。そこでは、若々しさに関する議論でくれた遊びと経験の要素が重んじられる。ページ240
それが最もうまくいくのは、自分が経験していることに意識を向け、それをありのままに受け入れる姿勢を強くもち、試行錯誤をスピーディーに繰り返しで、学びをどんどん深めていく時だ。インデペンデントプロデューサーは、試験プロジェクトの段階に到達していないプロトタイピングの取り組みから始まる。インデペンデントプロデューサたちは、害して可能性をあまり狭めずにものを考え、主として直感に導かれて試行錯誤を重ねる。素早く試行錯誤を繰り返すことにより試行錯誤を重ねる。素早く試行錯誤を繰り返すことにより絶えずフィードバックを経て、プロジェクトを成功させる方法見出していく。ページ241
大きいのは、このステージでは安心して失敗できるという点だ。背負っているものの悲観的少ないので、たとえ失敗しても深刻な結果に見舞われずに済む。また起業家的な性格を持つステージなので、実践を通じて有益なことをたくさん学べる。どうやって事業資金を調達すべきか? どうやって必要な資源を入手すればいいか? アイデアをビジネスに変えるための資金を借りたり、支援増えたり助言をやったりするのに必要な人材人的ネットワークをどうやって築けばいいか? これらのスキルや知識は全て極めて価値のある無形の資産だ。ページ242
高い能力を築き、上手にそれを見せ、宣伝することは、インデペンデントプロデューサにとって不可欠だ。実際の経験の中で同業者やメンターから学ぶことも多いが、正式な教育の場で学ぶスキルもある。ページ246
100年ライフを幸せにいきたければ、長い人生を通じて1つのアイデンティティーを確立し、未来の自分と現在の自分を結びつけて考えることが不可欠だ。現在の自分と未来の自分の間で対話を生み出すといってもいい。それを実現する1つの方法が行動ナッジだページ282
生涯を通して、幸福の最大の源は、煎じ詰めれば、無形の資産、つまり家族や友人との関係、それに好奇心や情熱なのだという肝に銘じるべきだ。ページ289