通販で稼ぐ! 年商1億円農家

「通販で稼ぐ! 年商1億円農家」を読みました。副題は「お客様と直接つながる最強の農業経営」です。富良野のメロン農家です。高校を出て親の農業を継ぎ、マジメにコツコツと働けば成功すると信じて農業を続けたがうまくいかない、何故だ?を自分の頭と実行力で探し出した物語です。読んでいて若いのに大したものだ!と頭が下がりました。クレーム処理など、貴重なノウハウも惜しみなく公開しています。好感がもてます。備忘します。

直販・通販で稼ぐ! 年商1億円農家 (DOBOOKS)

直販・通販で稼ぐ! 年商1億円農家 (DOBOOKS)

販売するのではなく、まず集客、お客様を集めることから始まります。集客は片っ端から取り組むのではなく、自分の売りたい農産物に興味があり、買う可能性の高い見込み客を集めます。ページ124
検索窓に富良野メロンなど2、3個の複合キーワード入れてトップページに表示されなければ落第、世の中に存在しないのと同じなのです。お客様に見えないということは存在してないに等しいということです。ページ133
経営者の一番大切な仕事は、情報発信です。これだけインターネットが発達して、誰もがスマホ持ってるこの時代。情報発信してインターネット上で伝え続けることが、直販する農業経営者の一番大切な仕事だと考えています。ページ136
フェスブックに投稿する。次にその投稿した記事を、今度ホームページに組み込んだブログにコピペします。ブログFacebookと違って情報が蓄積され、検索に引っかかります。投稿した記事が無駄にならずに情報の蓄積になるのです。ページ154
すぐに返信しない、これは大事です! 批判的なコメントが書き込まれると気持ちが高ぶり、怒りが湧いてきます。そのタイミングで返信すると反論になってしまいがちです。反論される相手もわかって欲しいし負けたくないので再反論にもになり悪い流れになってしまいます。批判的なコメントが来たらすぐにコメントを返さず、半日くらいおきましょう。すると自分の気持ちもついてきて冷静なコメントができるようになります。ページ161
相手の気持ちを受け止めてから今度はこちらの気持ちを伝えます。注意してください。「気持ちを伝える」のであって、正論を語ってはいけません。どちらが正しいかの議論、戦いをくり広げても、何も生まれません。例えば相手の考え方をしっかり受け止めたので次のように気持ちを伝えます。 「私は皆さんと楽しく交流を続けていきたいです。批判的な意見は、見ている皆さんが気分を害しますので、ご配慮いただけると嬉しいです。当農園の投稿が不快でしたら、どうか「いいね」の取り消しをお願いいたします。これからも楽しく皆さんと交流しながら、農園の様子や富良野の情報したいしたいと思っています。お互い気持ちよくFacebookを利用できるように、どうかご理解のほどよろしくお願いします」このようにこちら側の気持ちを伝えお願いするのです。ほとんどの批判的なコメントはこれで落ち着くと思います。参考にしてみてください。ページ163
自分がされて嬉しいことを、相手にすればいいのです。コメントには必ず返信しましょう。名前付きでパーソナルなコメントが返ってきたら、誰でも嬉しいですよね。普通の人間関係と一緒です。無視は最悪。人間関係崩壊の法則です。ページ165
何回か対応してモンスタークレーマーだなと判断した場合には、私が今回の件の責任者ですと明言した上で、次の対応しています。「精いっぱい対応させていただきましたが、当農園としてはここまでが限界です。どうか〇〇様の納得のいく、他の販売所からお買い求めください。脅しのような言葉があって怖いので、これ以上はこちらとしても弁護士や警察に相談しなければなりません。こちらの業務にも支障が出ているので、これで最後の電話とさせてください。当農園としてはこれ以上の対応できません。申し訳ありません。」相手が「そんな対応するのか!」「私を切るきか!」怒鳴ってきても、動じてはいけません。前の説明を繰り返し伝えるだけです。これまでの経験では、これでもう二度と電話はかかってもなくなります。ページ170
クロスメディアマーケティングとは、テレビやラジオ、新聞などのマスメディアで紹介されながら、直売所、ホームページ、SNSでの広告販売を組み合わせていくマーケティング手法です。お客様に知ってもらうために何でもやっちゃいますという感じでしょうか。ページ173
社員やパートさんを怒鳴ったり、怒ったりしていけません。その時点で事業の成長がストップすると言っても過言ではありません。優秀な人材からどんどん辞めていきます。いらっときたら、良い信号。そこに自分が変わり、成長するヒントが隠れています。自分の本当の心を相手が映し出しているのです。自分が正しいという気持ちが湧いたときには、そこから自分の気持ちの理解を深めて、相手をもっと理解していきましょう。そして社員パートさんにしっかり思いを伝えて、会社をどんどん良くしていきましょう。ページ248

最強の農起業 !

「最強の農起業 !」を読みました。デンソーの営業マンが脱サラして観光農園を成功させた物語です。元々、岡崎の農家の出身で早稲田を卒業してサラリーマンになっていた方です。地元に戻って農業大学校に通い、ブルーベリーに出逢い、やってみたらうまくいったということです。でもこの方は普通のひとではありません。試行錯誤と論理的思考を繰り返して最適解を求めています。現代日本農業の問題点と解決策の成功実例を見セントラルてもらいました。退職後、ブータンに行って幸せとは何か?を考えたことがよかったのかもしれません。備忘します。

最強の農起業!

最強の農起業!

「ブルーベリーファーム岡崎」は営業日は1年のうちわずか60日余りにもかかわらず、農園だけの売り上げで2,000万円を超えている。正社員は私以外に誰もいないし、営業期間中のみパートさんが10名ほど手伝ってくれているに過ぎない。したがって私を含めた全従業員の総労働時間が年間3,660時間とかなり短い。ページ10
斜陽産業の農業でありながら、このような生産性の高い農業を可能にしたのは、次の三本柱によるところが大きい。それは一人仕事でも可能な無人栽培、観光農園システム、そしてネットメディアを活用したIT集客。ページ11
ブログの書き方のポイントは3つある。1つ目はとにかく数多く投稿すること。…ポイント2つ目は、専門家だからこそ教えられる役立つ内容がこと。これが一番大事だ。…ポイントの3つめは、小技。ちょっとした小さな技をしておくとアクセスが増えて読者につながる。…関連する他のページへのリンクをたくさん貼り付けて、ページビューを増やしていくこと。さらに、あるテーマについてシリーズ物にして複数回の記事に分割して投稿すること。…ブログは日々、価値ある情報や見解を積み重ねて提供していくものだと理解している。だから毎日、新しい情報が提供され続けていることが重要で、そのようなサイトは人気ブログになる。ページ150
少額でもいいので広告費を払って宣伝して「いいね」を増やしたほうが得策だ。ページ172
リスティング広告は、もう少し深く掘り下げて研究すべきだと考えて、2015年は友人のアフィリエータに頼んでキーワードやどんな広告のヒットするのか徹底的に調べてもらった。ページ175
問題点の1つ目は農業には生産性という考え方がないことだ。時間当たりで考えて効率化を追求していく発想はない。労働時間を無視したトータルの売上利益ばかりを追いかけている。問題点の2つ目は、農業はIT化が著しく遅れてることだ。…問題の3つめは農業は価格を自分で決められないことだ。問題点の4つ目は農業はお客様の顔が見えないことだ。市場出荷している農家にはどんなお客が購入し、そして満足してるかどうかが全くわからない。この4つの問題をどう解決したかを本書は詳しく述べてきた。試行錯誤の結果、「無人栽培」「観光農園」「IT集客」の三つにたどり着いた。「ページ197

儲かる農業

「儲かる農業」を読みました。副題は「ど素人集団の農業革命」です。北日本食品(ブルボン)の営業マンが長野県の佐久で農業を初めて、カンブリア宮殿に出演できるほどの成功を収めた話です。生産は100点満点で良いが、営業は、その倍の200点満点でなければならないという農業です。契約栽培を中心に契約遵守(納期、数量)を旗印に信用を勝ち得て成功した物語です。農業に営業要素をプラスしたわけです。社員は独立志向の高い人たちで構成されています。現代ののれん分け制度といってもいいと思います。だからよく働くのかもしれません。農業法人は土地を借りるので、小作制度の復活だと言っています。なかなか面白いです。備忘します。

儲かる農業―「ど素人集団」の農業革命 (竹書房新書)

儲かる農業―「ど素人集団」の農業革命 (竹書房新書)

どうしたら、売れる野菜ができるか。その答えは、顧客が欲しがっている野菜を調査し、タイムリーに生産することである。この当たり前のことを前提に農業をビジネスとして考えれば、予め取引先と契約し、先方のニーズを的確に把握することが非常に重要になる。ニーズが明確になれば、そのニーズを満たす野菜を生産するべく全力を投入できるからである。ページ43
従来の農業は農作物を作り、できたところで「さあどう売ろうか」という考え方だった。だが、トップリバーでは、まず営業が契約をまとめてきて取引数量、取引額、納入時期が決まる。その契約に基づいて生産計画が作られ、達成するための方策を生産部門が必死になって考える。ページ51
契約栽培に限らず、どんなビジネスでもそうだが、契約を守るのは当然のことである。契約遵守は、信頼関係構築の基本中の基本だ。基本契約を死守するという覚悟でいれば、その思いは必ず相手に伝わる。トップリバーは契約を守る会社ということで信頼ができ、そこから商売が広がってことも少なくない。ページ70
誤解しないでいただきたいが私は有機栽培が悪いと言ってるわけでも、糖度の高い果物を作ることが悪いと言ってるわけでもない。それは作物の商品価値を高める重要な要素になることは十分に理解している。にもかかわらず勘違いだというのは良いものとは自分たちが決めるものではなく、買う人が決めるものであるからだ。有機栽培が良いもの、糖度の高いものが良いものと言ってみても、それは所詮こちらの言い分に過ぎない。相手がそれに価値を認めなければ良いものとはならないのである。ページ109
人材育成、それこそがトップリバーと他の農業生産法人を隔てる最大の違いであり、私が最も力を注いでいることなのである。ページ133

キレイゴト抜きの農業論

「キレイゴト抜きの農業論」を読みました。帝人に務めてからの脱サラの農業従事者です。有機農業を志すも、有機だけではお客様が満足できないことをよく知っています。消費者への直接販売と飲食店への注文販売で安定した経営を実現しています。小規模で美味しい野菜を作って飄々と経営する実例です。そうは言っても、東日本大震災の時の話を読むと大変さが伝わってきました。茨城の農場なので風評被害でキャンセルの山だったそうです。若者の安易な就農には否定的です。備忘します。

キレイゴトぬきの農業論 (新潮新書)

キレイゴトぬきの農業論 (新潮新書)

野菜の味を決める大きな要素は3つあります。栽培時期(旬)、品種、そして鮮度です。僕はこれを野菜のおいしさの三要素と呼んでいます。ページ20
栽培者に出来るのは、その固体が持っている特徴を発揮できるようにコントロールすることだけです。栽培で品種を超えることはできません。おいしい野菜を育てたいのなら、栽培が有機であるか否かよりも、品種の選択の方がはるかに重要です。ページ44
有機農業は、経営的にはハードルが高いビジネスモデルだと言わざるを得ません。ページ78
ところが、脳業界はマーケットレビューより、仲間内での評価が先行する社会=ピアレビュー社会になっている、と感じることが多いです。いいものかどうかはお客さんの決めることだ、と思います。ページ83
日本人はなんでも道にしてしまう。武士道や茶道、花道にはじまり、果ては野球道等々。1つのことをとことん追求していくのは質の向上にはいいことだし、現場をカイゼン主義で進化を続けるは日本人の良さだ。しかし、このやり方では終わりがない。最後は改善のための改善に陥り、どうでもいいような細かいところほじくるようになってしまう。対して、欧米のものづくりは先にゴールを決めて始めるのですぐに完成する。その後はそれを売ることに経営資源を集中できるのでブランディングもうまいし、ものが広く評価される。ページ85
既存の農業の方から、作ることは出来るけど、どうやって売ったらいいのかわからないと言われますが、売り方かわからないか人だからこそ直販に向いてるのです。逆説的ですが、事実です。答えはお客さんが持っているのです。ページ88
具体的にやっていることは極めてシンプルです。適した時期に、適した品種を健康に育てる、全力投球。栽培から販売までの全てが、このコンセプトに沿って組み立てられています。ページ97
職人の、特殊な世界だと思われている農業に合理性を持ち込み、科学的・論理的なアプローチで栽培や経営を組み立てるのは、なかなか痛快な作業です。ページ142
経営は結果が全てです。科学的には無視していい程度の懸念で敬遠してしまったことは、理由はどうあれ、経営者としては負けなのです。ですから、一農業経営者としてこれからすべきことは、多少の懸念があっても選んでもらえるようなおいしい野菜を提供しつづけることです。ページ165
ものづくりの面で言えば、合理性・効率性を考えてプロセスを工夫する楽しみがそこにあります。また、販売面では、どのようにお客さんを喜ばせたら対価を得るか、という面白さがあります。これらは、仕事して採算を取る、という制約があるかららこそのおもしろみです。ページ177
農業活性化の鍵は生産手段の流動化、すなわち、人や土地がもっと自由にのことだと思っています。皆ができることを目一杯やっているのに生産性が上がらないのではなく、人と土地が適正に配分されていないせいで、できて当然のことができていない、と捉えているからです。逆にいえば農業の生産性は、もっと上がる余地があります。ページ181

農業問題

「農業問題」を読みました。2014年の発刊です。副題は「TPP後、農政はこう変わる」とあり、数年前の大騒ぎを思い出しました。これまでの農産物に対する貿易交渉の流れと農地の問題を理解しました。日本の農地は戦後の農地改革で小作人が小さな農地を得たため所有権が分散しております。効率的な農業をやるには土地集積の問題を解決しなければならないことを知りました。減反などの価格調整や農協の改革も大問題ですが、儲かる農業を実現するためには土地の集積が必須です。また、規制緩和は進行していますが、法人が農業を行うハードルは未だに高いのが実情です。備忘します。

農業問題: TPP後、農政はこう変わる (ちくま新書)

農業問題: TPP後、農政はこう変わる (ちくま新書)

農業は経済発展の基礎というだけでなく、多くの特色を持つ。大地に生産要素としての土地の重要性である。…農地は労働や資本と同様に原材料に新たな価値をもたらした本源的生産要素の1つであるが、このように農地は農業生産に特有の働きを持つため農業に特殊な生産要素とみなされる。 …第二の特色は、農地だけでなく農業に導入された生産試験は大なり小なり農業に特殊なものが多いということである。…農機具は他に転用が効かない。 第3の特色は農業経営にある。ほかの産業と異なり、農業はほとんどの国で家族経営が主流である。ページ27
法人で農地を取得できるのは農業生産法人のみである農業生産法人とは、農業を主たる事業として経営を行う組織であるが、農業関係者が総議決権の¾以上を占める必要があり、農業関係者以外でも出資が認められるのは継続的な取引関係を持つ個人・法人に限られる。また役員の過半が年間150日以上の農業の常時従事者であることや、その農業常時従事者たる役員の過半は年間60日以上農作業に従事することなどの要件を満たす必要がある。ページ81
農地の関しては、時代を超えて信頼に裏打ちされた農地管理という付加価値を受け取っているのである。農地集積のためには、こうして地域地権者の信頼・信用を継続して勝ち取ることが重要になってくる。ページ182
地域の資源を活かした中山間地域の農業として、グリーンツーリズムや、食のテーマパークなども展開されているが、より大きな市場が期待できるのは、農業のプロセスを商品化する方向であろう。農業は自然との関わりやものづくりそのものが魅力的である。実際農作業を楽しいと感じる人々は多く、多様なプログラムでそうした都市住民との交流を図っている地域も多い。ページ221
「風の学校」では利用者は年間3万2千円(練馬区民以外は4万3千円)の料金を払って、まず、農園主の白石氏から農業技術の指導の講習を受ける。利用者は1区画30平方メートルの面積で種まきから管理、収穫まで行う。市民農園のような単なる農業体験ではないため、参加者対象者は20才以上とし、5年まで更新化としている。ページ222

日本農業の真実

「日本農業の真実」を読みました。以前より食料安全保障は気になっていました。輸入が止まれば国民は飢えてしまうという問題意識です。この恐れを巧みに利用しているのが、政治家であり農水相であり農協であると理解しました。自給率にもカロリー自給率と生産額自給率があり、カロリー自給率は20数パーセントであるために危機感を煽りやすいのです。でも自給率より輸入が止まった時の自給力の方がよっぽど重要です。自給自足が可能かどうかです。減反をはじめとする生産調整が本当に自給力の上昇につながるのか、そこが問題の肝です。戦後の農政の流れが良くわかりました。コメ農家で家族経営であれば10ヘクタールが最適だとわかりました。備忘します。

日本農業の真実 (ちくま新書)

日本農業の真実 (ちくま新書)

食料全体を大局的に眺めれば、生産の減少した米や芋類を含めて、食生活の変化が食料自給率を引き下げた主たる要因であった。ページ40
問題の焦点は、働き盛りの農業従事者を要する部門、具体的には施設園芸や酪農の所得の低水準にあるといってよい。ページ49
食糧・農業・農村基本法の理念を一言で表す場合、価格政策から経営政策への転換である。ページ79
10ヘクタール程度の規模で稲作の効率化ベストの状態に達すると述べた。またこのレベルを超えた規模拡大はさほどコストダウンをもたらさないとも述べた。しかしながら現実には少数ながら家族経営でも30ヘクタール、40ヘクタールの規模の水田作が存在する。法人の場合には100ヘクタール200ヘクタールの経もの展開している矛盾するように見えるこの現象については、次のように解することができる。すなわち法人経営であれば、かなりの数の常雇いの人材を要しており、作業機械も複数セット保有する形がとられている。 ページ107
最後の農地改革の名残であった自作農主義の条文、すなわち「農地はその耕作者自らが所有することが最も適当であると」する表現も2009年の改正で姿を消した。ページ153
特に重要なのは、農地の面的な集約のための調整である。面的にまとまっているか否かで、農地の利用効率には大きな違いが生まれる。権利移転をそのまま積み重ねるだけでは、農地の合理的な利用が約束されているわけではない。ページ155
経営形態はどうであれ、職業として農業に本気で取り組んでいる農業を支援することが何よりも大切である。「担い手」政策である。けれども同時に必要なことは卵やヒナの段階から「担い手」を育て上げるための仕組みである。ページ168
人材を惹きつけるために大切な点を筆者なりに表現するならば、経営の厚みを増すことである。もちろん、土地利用型農業であるから、職業としての農業経営にある程度の面積が必要である。水田農業の家族系であれば、10ヘクタール、20ヘクタールといった規模が標準的で当たり前の存在となることに、農業政策のターゲットことをも推奨したい。ページ170
消費者を知り、マーケットの動きを十分に把握する。これが現代の農業生産と農産物流通に携わる人材求められている基本線である。こうした基本姿勢は農産物の輸出についても貫かなければならない。政府は側面支援に徹すべきと述べたゆえんである。…農産物は絶対的な必需品であり、高度に選択的な商品でもある点に現代の食料の特質がある。ページ187

島耕作の農業論

島耕作の農業論」を読みました。ロボットやIoTと農業の関係や現場を知るための読書です。まずはこの「島耕作…」から読みはじまました。元ローソン社長の新浪剛史さんとの対談は読みごたえがありました。経営者の農業に対する見方を代表しています。政治家、官僚の思惑、JAの関わりがよくわかりました。また食料自給率がカロリーベースと販売ベースがあることも初めて知りました。就農者の高齢化や放棄地の問題も詳しく知ることができました。基本レクチャーをしてもらいました。備忘します。

島耕作の農業論 (光文社新書)

島耕作の農業論 (光文社新書)

日本の農業がマーケッティングインから離れてしまったのは、補助金の影響も大きいですね。農業は大変な仕事だからみんなで守らないといけない、といった考えがある。でも農業に限らず個人事業主や中小企業の経営者は誰からも守られていない。みんな生きるか死ぬかでやっているのに、農業だから守られているというのはちょっとアンフェアではないかと思うのです。ページ31
大事なことは「適地適作」。飼料米は近くに畜産の拠点がなければ、物流費だけで採算が合わなくなる。農家は現実的に対応するはずです。飼料米に限らず、大豆、とうもろこしなど今までいい加減にやっていた。「適地適作」を進めれば、十分に競争力を持つ。国産ニーズがあることは、よくわかっています。ページ34
企業が農地を保有すると資本効率が低くなる。だからリースで充分。農地の売買を自由にすべきだという主張にはくみしません。ページ38
スケールを大きくすることを追い求めると大手には勝てません。勝てないことはやらないほうがいい。小さくて強い農業とは、小規模、小資本であるけれど、それを強く支持してくれるお客さんとつながっていることです。ページ194
農業ってクリエイティブだし、ものづくりとして面白いんです。人間は光合成を再現することはできないので作るといっても、できることといえば、作物のために環境を整えるだけなんです。でも、そんな本質的な部分に関われないところに面白さがある。ページ204
ベンチャー企業は、創業3年以内に90パーセントが潰れるとよく言われます。それに比べれば農業はずいぶんいんじゃないですか。ページ190