日本人の9割に英語はいらない

「日本人の9割に英語はいらない」を読みました。英語が必要ないと言っているわけではありません。日本には優れた翻訳文化もあるので、9割の日本人にとっては、長い勉強時間の割に役に立たないと述べています。笑えたのは、国内で社内言語を英語化した楽天ユニクロの馬鹿さ加減です。企業人気ランキングも下がったそうです。なかなか小気味の良い指摘でした。もう1つの重要な指摘は、「早期英語教育は無意味である」ということです。日本語が十分に理解できないうちに英語教育をはじめると、両言語とも使えなくなるそうです。備忘します。

日本人の9割に英語はいらない

日本人の9割に英語はいらない

実際、英語が得意、英会話学校に通っている、と胸を張って自慢している人と話していると、中身は空っぽということが多い。何かに疑問を持つという姿勢がないのである。やはり英語では人間性まで高められない。英語は何かを表現するための手段であり、英語習得すること自体が目的となってしまったら、薄っぺらな人間になるだけである。(23ページ)
英語を勉強しなければいけないと思ってる人に対して断言しておこう。 日本で英語を本当に必要とする人は、たったの1割しかいない。残りの9割は勉強するだけ無駄である。(27ページ)
なぜ国民全体が英語を話せるようにならなければいけないのだろうか。なぜ日本人が英語話せないことに罪悪感を抱かなければならないのだろう。追いつけ追い越せで先進国を追いかけている途上国は英語が重要だが、日本は追われる立場なのである。日本はこれから成熟を目指すきであり、どこかの国を真似て追いかける必要など無いある(32ページ)
英語を母国語としない人が、自国にいながらやすやすと他国の言語を受け入れるのは、想像以上に危険な行為である。…言語を受け入れたら、文化も受け入れることになる。フランス人は自国の自分の国の文化が世界一だと考えている誇り高き民族なので他国の文化をやすやすとは受け入れない。…日本はアメリカ文化に染まりきって半ば植民地化しているのである。言語まで完璧に英語に染まってしまったら完全に植民地である。それが分かっているからフランス人を始めヨーロッパの人々はアメリカナイズされるのを警戒しているのである。(47ページ)
その証拠に、教育勅語は戦前に世界的なベストセラーとなり、ドイツ語、フランス語、中国語などに訳されて世界各国に広まった。アメリカでは戦後も書く評価された。アメリカの学校は60年代に行き過ぎた自由主義から暴力や麻薬などが蔓延し荒廃していた。それに危機感を抱いたレーガン大統領が道徳教育の改革を図り、その時に手本としたのが日本の教育勅語だったのである。(50ページ)
それは英会話産業に毒されているからである。テレビをつければ英会話のCM 、雑誌では日本人がいかに英語ができないかという特集記事、電車の中吊り広告でも英会話ができないとどれだけ困るのかを煽っている。英語ができないと、世界で生き残れないような錯覚を日々植え付けられているのである。それも、大抵は英語が必要ではない9割が錯覚を起こしている。(51ページ)
楽天が社内でどのような取り組みをしているのか報道を目にするたび、「救いようがないな」と呆れるばかりである。楽天は社員証もローマ字表記しており、ローマ字だと名前が覚えづらいので、ニックネームで呼び合っているんだという。…名前まで変えてしまうのはもはや日本人であるのを捨ててしまうのと同じである。…結局楽天ファーストリテイリングは超ドメスティック企業…今まで国内でぬくぬくと活躍活動していた企業が、グローバル化だ、国際化だといったあおりを鵜呑みにし、慌てて外に出て行こうと体裁を整えている。そのようにしか私には映らない。海外で事業展開するのには賛成だが、国内まで海外仕様にする必要ないのである。(72ページ)
読書しない国民ばかりなると国は衰退していく。決して大げさな話ではなく、実に日本の経済力落ちているし、国際政治もお粗末で国際的に舐められている。読書量によって国が滅びると言っても過言では無い。無学な国家は他国から食い物にされる。その危機感がある国は国民に教育をし、国力を養おうとしてるのである。(108ページ)