「ソトコト2108年11月号」を読みました。特集は「地域のお金の回し方」です。以前に読んだ「地元経済を創りなおす」(岩波新書)で基本的な知識をもって読みました。なぜ、地域通貨が有効なのか? 地方経済の現実と根底に流れる理論がわからないと誤読するのではないかと感じました。東京へ冨がストレートに戻ってしまうのを地域通貨で数回転させることにより雇用を創出する一手段であることを知らないと誤読します。通貨の問題とエネルギーの問題を解決できれば、人口の都市集中に歯止めがかかります。地方に行ってみると、どこにでも、もたくさんの人生があることに気づきます。「お金」の意味は?「幸せ」とはなにか?尽きぬ疑問が湧いてきます。「田中康夫・浅田彰 対談」の中に注目すべき指摘がありました。備忘します。
SOTOKOTO(ソトコト) 2018年11月号[地域のお金の回し方]
- 出版社/メーカー: 木楽舎
- 発売日: 2018/10/05
- メディア: 雑誌
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田中康夫 Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字をとってGAFAと呼ばれる4社の株価があまりに高いというのは、実体経済どころか、金融経済においても説明不可能な話。これからは軽薄短小の時代だとバブル期に喧伝されたのが、気がついてみたら実態が希薄なIT無国籍企業が納税逃れを続ける一方で、我がもの顔に重厚長大な世界に戻ろうとしてる皮肉な状況。
浅田彰 そう異常な独占資本主義だよ。さらには、SMS上での情報操作が選挙結果にまで影響するようになり、個人情報の売買禁止や自主規制の動きが強まっているけど、そもそもそれで儲けるというのは彼らのビジネスモデル。それにしたって個別化した広告が過大評価されているんで、あの広告が本当に効果を上げると思えない。
田中康夫 そこが、バレてくると、電通をはじめとする従来の広告代理店の方がはるかに「リアル」だったって話になる。関連記事を1回クリックしたら、同じ企業の広告が常に掲載されるのがうざいと感じ始めている利用者多いしね。その意味で言うとGAFAの中で一番将来性がないと言われてるアップは抑制的ではあるがゆえに、GoogleやFacebookよりも持続可能性がある。顧客から徴収した消費税分を内部留保してるんじゃないかと永遠の謎がささやかれているAmazonも、物販というリアルな商売だから最も強い。ページ129