プロカウンセラーの聞く技術

「プロカウンセラーの聞く技術」を読みました。私に一番欠けているものは、他人の話を聞かないことです。反省をこめて熟読してみました。カウンセラーになるつもりはありませんが、悩み多き人、若い人と対話するときには心して対処したいと思います。少なくとも自慢話はこちらからするべきではなく、聞かれたら事実だけを淡々と話すことにします。備忘します。

プロカウンセラーの聞く技術

プロカウンセラーの聞く技術

とにかく、まずは、相槌以外はしゃべらないことです。意見を聞かれたときは、自分の意見を手短に、文章にすれば1行以内で答えます。ページ11
まず第一の修行は、相手の話を素直に聞くことです。相手に反論したい時も、話をよく聞いてあげると、相手の意見も自然と穏やかになり、反応しなくて済むことの方が多いのです。これが聞き上手の醍醐味なのです。ページ13
会ってすぐに相手の人間性と心を見抜けるくらいなら、聞く必要など無いでしょう。丁寧に相手の話を聞くのは、わからないからです。「わかる」と思っている聞き手が相手からは反発され、「わからない」と思って一生懸命に聞く人が、相手から自分を理解してもらえたと思われるという逆説は、面白いでしょう。ページ32
人にする話は、たとえそれが失敗談だとしても、どこかにうまくいった、と言う雰囲気があるものです。ましてや成功した話なら、自分では自慢ではないと思っていても、聞く相手からするとかなり自慢げなニュアンスを感じることが多いものです。自慢話をする事は人間関係を悪くします。ページ55
答えられない質問、正答がいくつもある質問こそ、大切な質問です。答えられない質問には答えないで相手の心を聞くことが、聞く聞き上手のコツの1つなのです。ページ79
聞き手は話してより偉くはないことを自覚しているべきです。それでもついつい人の悩みを聞くと、自分がその人より偉いと感じ、助言をしてしまうことが多いものです。話し手との平等性を確保している聞き手は、尊敬して良い人です。ページ85
「相手の話は相手のこと」が温かい気持ちでできるためには、相手の心に対する理解が必要です。家族より友達など自分にとって大切な人を失わないためには、常に相手を理解しようと心がけることが大事なのです。自分の立場を主張するのではなく、相手の気持ちになって、しかも相手と自分を混同しないこと、…「わかるが勝ち」なのです。これもなかなか難しいことですが。ページ133
「でも」「けど」「しかし」なしの会話は、内容が曖昧な会話でも、弾みがつき、お互いがどこかで満足できるのです。ページ156
言い訳は自己弁護や自己満足にはなっても、相手の抗議する気持ちの解消には全く役立ちません。おまけに相手の感情をますますいら立たせてしまいます。だから、あなたも言い訳する人が嫌いなはずですし、言い訳を一切しない人を潔い人として尊敬します。言い訳をして、自己正当化を図ろうとする人望を失い、自己弁護や言い訳をしない人が尊敬されるのですから、当然われわれは言い訳しない方が賢明です。ページ162
約束を破ったときは、言い訳ではなくその10倍も約束を守ることによってしか信頼は回復されません。ページ167
聞き手の沈黙と間の迫力、それを生の存在が聞き手の度量です。これは、話し手の話す内容が深刻であればあるほど、魂の苦悩と叫びがあればあるほど、必要とされるものです。沈黙や間が入る会話ができるようになれば、あなたも上級の聞き手になった証拠です。ページ212