足病の教科書

「足病の教科書」を読みました。日本褥瘡学会の創始者、大浦先生と参議院議員で医師の秋野氏の対談本です。「床ずれ博士の在宅介護」(大浦武彦著)では褥瘡についてが主テーマでしたが、この本では「足病」のみの対談、解説です。医者がなりたくない病気の第一に挙げる「糖尿病」が足病の主な原因です。フットケアは足病になってからの措置です。糖尿病にならないよう生活習慣を考えることが大切です。足病になったら専門医に診て貰わないと切断、死亡に至ります。怖いです。備忘します。

糖尿病・透析の人に役立つ――「足病」の教科書

糖尿病・透析の人に役立つ――「足病」の教科書

足病の主な原因には、①血流障害、②神経障害、③感染症疾患、④足の変形、⑤爪の疾患、⑥外傷があります。ページ22
やはり糖尿病や透析が関わっている足病でしょう。糖尿病が悪化したままの足病では歩行切断に至る場合が少なからずあります。ページ26
大腿切断では、生命予後が悪く、1年以内におよそ半数以上の方がお亡くなりになっていると言うお話でした。透析で足を切断するというのは、深刻なことなのですね。切断後の生命予後が悪いと言う結果の解釈は、実にはっきりわかっている部分でもあるのです。例えば、足を切るほど全身状態が悪かったと言う解釈もできるし、サルコペニアのような廃用性の障害で自然に弱って亡くなるという考え方もできます。ページ42
透析患者さんで四肢切断を受けた、すなわち有病率は2013年には約3.6%に、2014年には3.8%まで増加したのですね。ページ64
透析を受けている患者さんが足を切らなければならなくなるのは、主に動脈硬化によるためです。透析になった時点で、すでに血管が障害されているのです。ページ93
血流が悪いと、乳酸や老廃物が溜まってもこれらを対処できないため、痛い、歩けないと言う状態になるのです。重要なのは、間欠性跛行と、坐骨神経痛や脊柱間狭窄症との鑑別です。ページ112
足を挙上する(上げる)だけの検査があります。血流が悪い場合は、健常の場合と同じピンク色だったら私が、挙上するだけで白くなるのです。足を上げると重力が発生します。血流が悪いと、この重力に対して血液を端まで送ることができず、白くなっていくのです。それだけ血流に勢いがないと言うことです。足を下ろすと、またピンク色に戻ります。そういう簡便な検査で情報が得られるなら、患者さんにとってもありがたいことですね。ページ119
今度は、専門病院での足病の治療についてもお尋ねしたいと思いますまず。まず、足病の治療は何科に紹介されますか。ケースバイケースです。傷に感染があって膿が出ている場合には、形成外科や整形外科なのでデブリードマンが必要です。透析患者さんのように虎血のある場合はどうでしょう。血流の再評価を専門病院でしますので、循環器内科や血管外科で再度診察をします。ページ131
医療の中で運動を行うリハビリテーションは重要です。運動により、組織の末梢の隅々に血流が増え、血管網が発達していきます。ページ138
血流評価、スクリーニング、フットケア、創傷処置など、看護師が積極的に見て触るものだと認識するところから、透析患者さんの足を救うことが始まります。ページ178