おくのほそ道の真髄

放送大学、特別講義「おくのほそ道の真髄」を視聴しました。副題は、「芭蕉自筆本に基づく新研究」です。20年ほど前に大坂で自筆の原稿が発見されて、流布している「おくのほそ道」の推敲過程がわかるようになったそうです。短い紀行文の中は5部の構成になっており(従来は4部構成とされていた)、50句が系統的にまとめられていることを発見したそうです。「行ゆく春や鳥啼なき魚の目は泪」「蛤はまぐりのふたみに別れ行ゆく秋ぞ」春と秋で呼応した構成です。この旅行の間に歌論「不易流行」も完成したと分析しています。講義の先生が自ら出羽三山を行脚して実証しています。素晴らしい講義だと思います。
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