本当はちがうんだ日記

「本当はちがうんだ日記」を読みました。学芸大学の古本屋で目にとまりました。発刊時、40代前半、現在は60歳台の前半の方ですので、ほぼ同世代です。一読して、すでに通過した感情が湧き上がりました。懐かしさ、口惜しさ、ほろ苦さを感じました。そして、著者の自我撞着や私には理解できない世界の解釈に戸惑いました。感性の鋭いところと鈍感なところが同居しています。今の若い人には多分理解できない内容です。備忘します。

私は十年間通ったスポーツクラブでとうとひとりも友達を作れなかった。…誰ともひとことも口をきかない私は「修行僧」と呼ばれていた。ページ113
はしゃぎながら語りかけるような文面の結びは「暖かい、幸福なクリスマスを。ペディによろしくね」だ。薄れかけた消印をじっと見ると、1904と読める。101年前…。そう思った瞬間に、私は眩暈のような感覚に襲われた。ページ106