源氏物語

「源氏物語」を読みました。原文や現代語訳ではなく、新潮古典文学アルバムのシリーズです。写真や絵が多く短時間で読み終えました。同時に「100分で名著」で「源氏物語」を視聴しました。全体像が、おぼろげにわかりました。これまで漫画「あさきゆめみし」…

本居宣長

小林秀雄「本居宣長」を読みました。「古事記」の理解を深めるための読書です。小林秀雄晩年の名著です。文庫本で約800ページぐらいあります。原文の引用も多く難儀しました。前半は、「万葉集」「源氏物語」を題材に宣長が「もののあはれ」をどのように体得…

中古典のすすめ

「中古典のすすめ」を読みました。「中古典」とは、斉藤美奈子さんの造語で、「古典未満の中途半端に古いベストセラーを指す」そうです。短い書評集ですが、簡潔にして的を射た卓越した内容です。抱腹絶倒、快刀乱麻の斉藤美奈子節です。★が1~3つで各本を二…

知識人99人の死に方

「知識人99人の死に方」を再読しました。今回は自分ごととして読めました。淡々と死を迎えるのが美しいと感じました。準備もできるので脳溢血、心筋梗塞でなく癌で死ぬのがよいかもしれません。 荒俣宏さんの知識人の選び方、解説がよいです。死んだ経緯を調…

右大臣実朝

「右大臣実朝」を青空文庫で読みました。太宰治氏の作品です。今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を毎週欠かさず見ています。脚本、三谷幸喜さんの実朝像はこの「右大臣実朝」に影響されていると思います。これまで実朝は、詩歌に優れ遊興に耽る凡君との印…

死ねない老人

「死ねない老人」を読みました。現代老人の現状を知りました。「死ねない老人」とは、①将来の希望や生きがいを失ってしまった人、 ②不本意に生かされてしまっている人のことで、増加傾向にあるそうです。遊びだけでは希望や生きがいは生まれません。遊び興じ…

南方熊楠

「南方熊楠」を読みました。新潮文学アルバムの一冊で写真満載の本です。学芸大学の古本屋で見つけました。南方熊楠は、希有の記憶力と底知れない構想力を持つ天才です。明治の時代に徒手空拳で米国、英国に渡り、粘菌を研究して世界で認められる学者になり…

60歳からの人生を楽しむ孤独力

「60歳からの人生を楽しむ孤独力」を読みました。これから高齢者になる人の心構えを述べています。もう激しい時代は終わったのだから、「いい加減に」「ずぼらに」行こう!と勧めています。50歳後半の方に最適な本だと思います。相手にされない悔しさや怒り…

柳田國男を歩く

「柳田國男を歩く」を読みました。柳田國男は、「遠野物語」で有名な民俗学者です。明治31年の九州出張視察が、民族学研究の萌芽であったと論じています。明治政府の高級官僚として草鞋で歩きながら現地を調査しています。その視察の道筋を丹念に追う構成で…

リセットの習慣

「リセットの習慣」を読みました。自律神経の研究をしている順天堂大学の医師の著作です。普段の生活のコツを語っています。ゴールを目指すより、新しいスタートを目指すことを勧めています。過去の写真など思い出の品は邪魔になるとの見解です。ニーチェの…

枕草子のたくらみ

「枕草子のたくらみ」を読みました。学芸大学の古本屋で数年前に購入しました。ふと本棚から手に取ってページをめくると、あまりに面白い内容で一気に読み終えました。50年以上、枕草子を誤解していました。機知に富んだ名文だが、風流をきどったインテリ女…

日本史の謎は地形で解ける

「日本史の謎は地形で解ける」を読みました。地形や地勢から歴史を解釈すると今までの常識を覆す歴史が見えてきます。なかなか面白い内容です。例えば、奈良から京都、京都から江戸への遷都を、地勢から読み解いています。交通の要衝が変化し、エネルギー(…

SDGs

「SDGs」(岩波新書)を読みました。著者の一人、南博氏は2012~2015年、国連SDGs交渉を担当する日本政府の主席交渉官でした。交渉者が語る合意に至るプロセスは、ハラハラドキドキの圧巻のストーリーです。そして国連参加国、すべての国が合意に至りました。…

バカと無知

「バカと無知」を読みました。以前、衝撃を受けた「言ってはいけない」橘玲氏の著作です。「人間とは何か」を現代の脳研究から解説しています。私の周りにはバカが少ないので、私の認識が間違っているのに気づきました。「日本人のおよそ3分の1は日本語が読…

古代日本の航海術

「古代日本の航海術」を読みました。以前、古代エジプト王朝の時代に長さ50メートルの大船があったとのことを知り、古代の造船や航海の技術がどうなっているのか深く興味を抱いておりました。日本でも、天智天皇の御世に白村江の戦いがありました。どうやっ…

奥の細道

山本健吉「奥の細道」を読みました。現代語訳、原文、評論という三部構成です。「奥の細道」は、旅の数年後に推敲を重ねてできた作品です。曾良の随行日記によれば創作部分も随所に見みえます。芭蕉は、この旅の途中(出羽路あたり)で「軽み」の境地に達し…

雨月物語

上田秋成「雨月物語」を読みました。江戸後期に書かれた怪奇的な九つの短編物語集です。註や解説を頼りに、原文で読みました。よくわからないところは、YouTubeで1953年制作の映画で補いました。映画はこれら短編を横断的にまとめたストーリーでしたので、今…

本当はちがうんだ日記

「本当はちがうんだ日記」を読みました。学芸大学の古本屋で目にとまりました。発刊時、40代前半、現在は60歳台の前半の方ですので、ほぼ同世代です。一読して、すでに通過した感情が湧き上がりました。懐かしさ、口惜しさ、ほろ苦さを感じました。そして、…

日常は情報戦

「日常は情報戦」を読みました。ユーチューバーKAZUYA氏の著作です。私、長い間チャンネル登録しています。やや右ですが常識的なコメントが多く好感がもてます。動画の中で本を出版したとのことでしたので、早速、応援に購入、読んでみました。ユーチューバ…

人間の生き方、ものの考え方

「人間の生き方、ものの考え方」を読みました。泰斗、福田恆存の講演録です。易しい言葉で難しいことを説いています。戦後の左翼的な言説が闊歩、謳歌していた頃、右翼的で本質的なことを語るのは勇気のいることだったでしょう。戦争に負けようが、原爆が落…

ツクル論

「ツクル論」を読みました。若き畏友、三宅創太氏の著作です。5年前、彼のプレゼンを聞いてロビジー(ロボット協議会)に入会しました。論理的で、かつ「熱い」希有な方です。起業の頃の話なので今はさらに成長されています。今取り組んでいる宇宙ビジネス…

群島の文明と大陸の文明

「群島の文明と大陸の文明」を読みました。文明の価値観をすっきりと三つに分けて説明しています。すなわち、=生物学的生命・肉体的生命、= 霊的生命、=美的生命、です。どれも大事ですが、それぞれの文明が何を大事にしてきたかの解説です。 中国、韓国が近…

仕事と人生

「仕事と人生」を読みました。副題は「ラストバンカーの遺言」です。三井住友銀行、元頭取、西川善文氏の著作です。郵政改革をめざし、「かんぽの宿」問題で民主党に敗れた経営者です。 本書は、著作といっても、インタビューから編集された本です。内容は至…

ウェルビーイングがありました

「むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました」を読みました。先週、神奈川大学の小倉教授からSDGsのレクチャーを受けました。説明の中で、「SDGs③は英文では【Good Health and Well-Being】である、これを【すべての人に健康と福祉】と…

老人の美学

筒井康隆「老人の美学」を読みました。85歳の著作です。人は皆老いる、老いを恥ずかしがることはないのに、若者たちに嫉妬することもないのに、つい、イライラしてしまいます。老いても役割を見つけて淡々と処世するのは案外難しいです。読みながら筒井氏に…

手塚治虫とっておきの話

「手塚治虫とっておきの話」を読みました。「火の鳥」は私の考えのベースです。生あるものは必ず滅びる、形あるものは必ず壊れることを手塚治虫氏に教えてもらいました。 前半は、子供の頃、医学生の頃、駆け出しの漫画家の頃の話からはじまり、ジャングル大…

チェーホフ

「桜の園、三人姉妹」(週間朝日百科 世界の文学63)を読みました。私はロシア文学が好きでないことを再認識しました。ヘンに真面目で物語に入り込めません。記述の中でチェーホフが、ドストエフスキーやトルストイから遅れてでた小説家だということを知りま…

ペストの記憶

デフォー「ペストの記憶」をNHKオンデマンドの「百分で名著」で、視聴しました。昨年、コロナ禍がはじまったときに、カミュの「ペスト」を読みました。そして今回、デフォー「ペストの記憶」で、ロンドンでのペスト蔓延の顛末を知りました。1685年、飲食…

パンセ

パスカル「パンセ」をNHKオンデマンドの「百分で名著」で観ました。「パンセ」は、断章なので順を追って読む必要はなく、たまたま開いたページを読むので十分だそうです。テレビ番組ですので、たくさんのフィルターを通っています。ピックアップが恣意的…

幸福論

アラン「幸福論」をNHKの「百分で名著」で観ました。テレビ番組ですので、たくさんのフィルターを通っています。原典からやや離れてしまうことを覚悟で視聴しました。「はじめに行動があった」(アンドレ・モロア)は私の愛読書ですが、その本の中にもア…